先日、お客さんで写真家の山崎兼慈ご夫妻がお越しいただき、ある展覧会の案内状を頂きました。江里佐代子さんと仰る人間国宝の截金師とうかがいました。
山崎さんは、上の図録の撮影をなされたかたで、後で江里佐代子さんの御主人で仏師の江里康慧(こうけい)先生もお越しいただき截金の事をうかがい後日、
展覧会に伺わせていただきました。
截金(きりかね)と聞きましても、私もその一人でしたが、どういった技術なのかピンと来ませんでしたが、この展示会に伺わせていただき、あまりの技術の高さ
と芸術性に圧倒されました。 写真で見るのと現物を見るのとでは、感動が全く違うことに驚きを感じた作品の数々でした。 写真は、江里康慧先生と山崎兼
慈氏に許可を得て搭載させていただきました。
図録より
江里 佐代子(えり さよこ、1945年7月19日 - 2007年10月3日)女史は、日本の截金師として、2002年に諸工芸の
截金の分野で3人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。京都市に生まれ、大学で日本画や染色
などを学び、仏師の江里康慧と結婚。それが契機となり截金師北村起祥のもとで截金の技法を習得する。 本来仏
像の荘厳技法であった截金を飾筥(かざりばこ)、棗(なつめ))、香盒(こうごう)、結界(けっかい)、屏風(びょうぶ)、
衝立(ついたて)、額装、壁面装飾へと応用しその可能性を広める。また日本伝統工芸展において日本工芸会総裁
賞、日本経済新聞社賞や高松宮記念賞、京都工芸美術展では市長賞など受賞を重ね、夫の江里康慧との二人展
「仏像と截金」なども開催し、截金の認知度を高めた。また京都造形芸術大学と龍谷大学で客員教授を、東京芸術
大学大学院で非常勤講師を務めるなど截金の普及にも力を注がれました。2002年7月8日に全国最年少で重要無形
文化財保持者に認定され、翌年には江里康慧とともに京都府文化功労賞を受賞。建築や寺院の壁面、空間装飾の
仕事も多く、京都迎賓館では晩餐室「藤の間」の舞台扉「響流光韻(こおるこういん)」に截金を施すなど多彩な活躍が
続いておりましたが、後継者の育成や更なる作品の製作の道半ば、 ロンドンの大英博物館で開催中の作品展「現代
日本のわざの美」で実演と講演をした後、調査のため向かったフランスのアミアンで、脳出血のため62歳で死去なさい
ました。
1.聖母マリア像 総高89.0cm こちらの作品は御主人の彫られた仏像に金糸の様な細い金箔で模様が施さ
れております。仕事の繊細さに目を奪われました。
衝立 この作品などは、写真では素晴らしさが伝わりにくく残念に思います。
12.額装「はな和光」
18.截金額装「光 放たれるとき」 横140×138 この技術が、京都迎賓館の内装を彩っているそうです。
こちらの像は、等身大あり本物の衣をまとっておられるようでした。
21.阿弥陀如来立像 総高70.5cm バート・ド・ヴェール 石田 亘 氏との共同制作
22.聖徳太子孝養像 総高67.5cm
左座朋子女史とは、江里さんの娘さんだそうです。
改めて、日本人の繊細さと器用さ芸術センスの高さに感動したひと時でした。
写真撮影者 木村尚達:15・21 山崎兼慈:1・2・3.7-1~7-7・9-1・11・14・18・19・20・22・23・24・表紙 平安仏所:4・5・6・8・9-2・
10・12・13・16・17・25・裏表紙
展覧会場は、中信美術館です。月曜休館 入場無料 10月16日(日)まで、午前10~4時45分入館までです。 西隣に6台分のコインパーキング
があります。
住所:京都市上京区下立売通油小路東入ル西大路町136-3 TEL075-417-2323
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