曼殊院(まんしゅいん)は京都市左京区一乗寺にある天台宗の仏教寺院であり、本尊は阿弥陀如来が祀られております。開基(創立者)は是算
(ぜさん)であるとあります。竹内門跡とも呼ばれる門跡寺院(皇族・貴族の子弟が代々住持となる別格寺院のこと)であり、青蓮院、三千院、妙
法院、山科毘沙門堂門跡と並び、天台五門跡の1つに数えられる寺院です。国宝の黄不動画像や曼殊院本古今和歌集をはじめ、多くの文化財
を有しております。 勅使門
参拝入口は、勅使門の左手(北側)にあります。
庫裡の入口に掛る額は、「媚竃 びそう」と書かれており良尚親王筆とあります。「媚竃」とは、論語の中に書かれている「その奥に媚びんよりは、竃
(かまど)に媚びよ」という意味だそうです。
曼殊院も他の天台門跡寺院と同様、最澄(767-822)の時代に比叡山上に草創された坊(小寺院)がその起源とされており、寺伝では延暦年間(782-
806)、伝教大師最澄が比叡山上に営んだ一坊がその起源とされております。円仁、安恵らを経て、10世紀後半の僧である是算の時、比叡山三塔の
うちの西塔北谷に移り、東尾坊(とうびぼう)と称したといわれております。最澄、円仁、安恵…というのは天台宗の法脈を表わすもので、曼殊院の歴
史は実質的には是算の時代から始まるといえます。是算の事績についてはあまり明らかになっておりませんが、花山法皇(968-1008)の弟子であっ
たといわれております。
中国八賢人図
大書院への廊下
廊下の行燈に描かれている釈迦像
庭園は、小堀遠州作で遠州好みの枯山水の庭です。 ピントがずれてしまいましたが、庭園内にある鶴島と亀島のうち鶴島の樹齢4百年といわれる
五葉松が鶴をかたどっております。
大書院の奥にある小書院
白砂の海原の中に亀島が浮かんでおります。
小書院前の手水鉢はフクロウをかたどっており、下の台石は亀、傍の石は鶴をかたどって
おります。
庫裡を入ったところの竃です。
曼殊院の夜間拝観は、8時半までにお入りください。
勅使門の前にある神社の境内もライトアップされております。