明日、8月6日から16日まで再公開されます。
先日、清水寺の成就院で開かれておりました、中島潔氏の襖絵展にうかがってまいりました。 中島氏は、数十年振りに
訪れた清水寺で観音様の力に引き込まれ、自分の人生の集大成を奉納させていただきたいと、強く思われ、清水寺さん
に願い出られたそうです。清水さんからのお返事を待たれたのち、五年の歳月をこの作品だけの為に費やされ完成にこぎ
つけられました。その集大成の作品が、四月二十四日から五月九日までの間、成就院書院にて有料で展示されておりま
す。
展示期間が終わりますとその後は、取り外され次の公開はまだ未定とのことです。ダイナミックな色づかいと繊細な描写
は、見る人を引き付けてしまいます。
成就院さんによりますと、先月NHKのクローズアップ現代で放映された時の反響が大きく問い合わせが多数あったこと
で、再度公開日程を決定され対応をなされております。 期間は、8月6日から16日までと発表されました。
尚、クローズアップ現代でも後編の放送が決まっているようです。
成就院の書院は、田の字字に四部屋からなっておりますが、各部屋の三面12枚の襖に中島潔ワールドが展開されて
おりました。全48枚の大作は圧倒されるばかりでした。伺った当日は、女性の方を中心に熱心に鑑賞なされておりました。
第一室12面は、「かぐや姫」と名付けられております。
「月へ天女と飛んでいくかぐや姫」 それは、華やかな中に一抹の悲しさが漂う壮大な作品となっております。
そこには「別れ」があり「希望」があります。 大事に育ててくれて人との別れ、自然豊かな地球との別れ。すべての人が
必ず味わう辛く悲しい別れ、しかしそれは同時に希望でもあり、巡りゆく「いのち」でもある、と作者は語りかけております。
風の故郷(ふるさと)「春・夏」 第二室 12面 (花別れ)
「風の故郷」は、作者の原点「ふるさと」にあり、九州の田舎に育った作者は、一日中思う存分遊びまわり、その中でさま
ざまなことを学びました。
水や木、そして大空や太陽と一つになって遊ぶ子供たち、生きることの素晴らしさをからだ全体で表現している子供たち。
そんな子供たちをそのまま受け入れてあたたかく包み込んでいる豊かな大地。草も木もそして子供たちもみんな生き生き
と回る生命(いのち)だと仰っておられます。
(にわか雨)
(向日葵)
第三室 14面 風の故郷 (秋・冬)
39歳の時、初の個展を開催した作者は、以後童画はもちろんのこと、二十余年間で新しい美人画の世界「万葉の女(ひ
と)」や、斬新な日本画として高く評価された「源氏物語五十四帖」の連作や、詩人・金子みすずの詩をモチーフにした作
品などを次々に発表し続けておられます。
五十歳の時、創作に行き詰まりアトリエを故郷の佐賀に移され、そこで親や友人が自分の過去・現在・未来につながっ
ていることを知り、故郷の自然・四季の美しさをあらためて見つめ直すことで創作の意欲を取り戻され、童画「ふるさとの
詩(うた)」「源氏物語五十四帖」「金子みすず」の代表作をこの時期に描き上げられました。
(紅葉)
(雪の音)
第四室 詩人・金子みすずの「大魚」
作品を貫いているのは、圧倒的な鰯の群れと漂う少女の姿で、そこには詩人・金子みすずの詩に呼応するような、生命の
輝きと儚さを悲しむまなざしがあります。
一番弱い鰯を大量に描いたのは、弱いからこそ生きることの大切さを秘めている、一番壊れやすいからこそ生命の息吹
を宿しているいるからだそうです。それを全身で感じている金子みすず。人というのはここまで優しく強くなれて、ここまで
見つめられるのか、それを彼女の詩の中に感じ、それが作者に衝撃を与えたと云っておられます。
この作品群は、成就院さんの襖のサイズに合わせて作成されたもので、9日の期間を持ちまして展示は終了し、倉庫に
収納されます。期間中NHKのクローズアップ現代の取材も入っており5月末の放送予定も組まれておりますので、反響が
大きければ、再度の展示も計画されているようです。ただし期間はまだ未定とのことです。
清水寺塔頭 成就院 月の庭
庭園の面積は約1500平方㍍でさほど広くはありませんが、正面の高台寺山を大きく借景
し山中に一基の石灯篭を立てて巧みに遠近法を活用して庭と周囲の山景とを結びつけ、
庭に無限の広大さを感じさせてくれます。
縁先の誰ガ袖(たがそで)手水鉢は、豊臣秀吉の寄進と伝えられております。
成就院のお庭園は、さつきの植え込みでしょうか?満開の時は華やかでしょうね。
6月13日に来京するので、是非と思ったのですが、見逃してしまいました。残念!!!
次の公開はいつでしょうか?
きっと拝見しに参ります。先生とのちょっとしたエピソードがあります。娘が小一の時、(20年前)先生のサインを頂く機会がありました。その折、先生が字を一字間違われ、即興に梅吉を書いてくださいました。懐かしいです。今もその本を大切にしています。
私はまだ中島先生の半分も生きていないのでおこがましいのですが 自分もまた両親との様々ないきさつがあり、今でもしこりがのこっているので…
8月に再公開されるとのこと、本当に嬉しく思います。
画家にお手紙を出すことなど無かったのでどこにどう出したら良いのか解らずにいたのです。
8月。京都の展示会場で会場の受付などにお手紙を渡せば中島先生にお渡ししていただけるでしょうか…
ともあれ、本当にうれしいです。
そしてこちらサイト上に美しい写真の公開をしてくださったことを、心からありがたく存じます。
いろいろな思いを感じる襖絵です
ありがとうございました
中島先生のファンで県内、都内の作品展にはよく行っているのですが、さすがに京都はあきらめていました。
でも、先日のズームアップ現代を見て、行かなかったことを後悔していました。
襖絵の再公開決定のお知らせ、ありがとうございます。
時間を都合してぜひ見に行きたいと思っております。
息がかかるほどの距離で見れたから、タッチが生々しい。変色もしそう、作家泣かせの展示だが、見る者を直に圧倒する。必見!
私は毎週末通いました。
中島潔画伯…風の画家…故郷が生んだ画家
いつの頃からか母に教えられ、そして目にしていた絵。
しかしそれは何かの挿絵だったり絵葉書だったり。恥ずかしながら、あれほどの大作を描かれている方とはちっとも知りませんでした。それだけにテレビで見た襖絵の数々は衝撃的でした。
京都に程近い場所に住みながら、清水さんであのような襖絵が公開されていたとは。
非常に残念なことをしてしまいました。
もし次回の公開があればその時は是非観に行きたいと思っております。
HPの美しい画像どうもありがとうございました。
当地での金子みすずと中島潔のコラボというべき展覧会は行きました。素敵ですよね!是非行きたいと思っています。
ぜひ熊本でも展示会が開催されればと思います。大漁の絵、あどけない子供の絵
心が癒されます。
大ファンです!