泉涌寺(せんにゅうじ)は、東山の南の端に位置し弘法大師(空海)が天長年間(824年-834年)に、この地に草創した
法輪寺が起源であり、855年藤原緒嗣によって再興され、仙遊寺と改めたとされております。
その後、鎌倉時代の1218年、荒廃していた仙遊寺を俊芿(しゅんじょう)に寄進、俊芿は多くの人々の寄付を得てこの地
に大伽藍を造営し、霊泉が湧いたので、寺号を泉涌寺としたといわれております。
俊芿(1166-1227)とは肥後国(熊本県)出身の学僧で、正治元年(1199年)宋に渡り、足かけ13年の滞在で天台と律
を学び、建暦元年(1211年)日本へ帰国した僧のことです。
1224年には後堀河天皇により皇室の祈願寺と定められ後堀河天皇と次代の四条天皇の陵墓は泉涌寺内に築かれてお
り、この頃から皇室との結びつきが強まり、江戸時代には後水尾天皇以下、幕末の孝明天皇に至る歴代天皇が山内に
葬られております。このため、皇室の香華院(こうげいん)となり、「御寺(みてら)」と尊称されております。(「香華院」とは、
香をたき、花を供える場所、すなわち、先祖が眠る寺の意だそうです。)
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本日は、泉涌寺の塔頭・雲龍院に伺いました。広大な境内ですが、雲龍院の前まで車で
行くことが出来助かりました。雲龍院は案内図の上部仏殿の右上にあります。
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雲龍院の白壁
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手前、山門と奥の勅使門
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泉涌寺別院 別格本山 雲龍院 本坊南の高所に位置する別院雲龍院は、1372年後光厳院(ごこうごん)の思召しに
よって、竹巌聖皐(しょうこう)が開いた寺で、皇子・後円融院はここに如法写経の儀を興そうと寺領を寄せられました。
また後小松、称光の両天皇もこの寺を崇敬され、四天皇崩御の後は後山に御分骨所が営まれ、北朝歴代の御尊牌が
霊明殿に奉安されており、古くから写経道場として修行の場とされております。
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山門を入りますと、正面に庫裏が見えます。
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石畳左手の観音像
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梅の花を目当てに伺いましたが、最初に早咲きの寒桜が開花しておりました。
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鐘楼前の白梅ですが、少し時期が遅かったみたいで一部しか残っておりませんでした。
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庫裏の前の紅梅ですが、こちらは時期が早くまだ開花前の蕾の状態でした。
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庫裏を右手に折れますと玄関があります。
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玄関の柱に掲げられている木版
「生死事大・・」の言葉は修行道場の木版に書かれている語句です。 生死事大(しょうじ
じだい)無常迅速(むじょうじんそく)各宜醒覚(かくぎせいかく)慎勿放逸(しんもつほういつ)
と書かれています。その意味は「生死は仏の一大事、時は無常に迅速に過ぎ去っていくか
ら、各人はこのことに目覚めて、弁道精進につとめ、無為に過ごしてはいけない」。叩いて
合図をするだけではなく、その音声で心をも目覚めさせようとの意味が込められています。
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玄関で拝観受付を(300円)済ませ本堂の龍華殿に向います。
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玄関正面の雲龍図
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雲龍図の右手の書院から庭園の眺め
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玄関右手、霊明殿との間にある中庭
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本殿の龍華殿(りゅうげでん)と勅旨門
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山門から入ってきたところの鐘楼
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御本尊に薬師如来を祀り両脇に日光・月光の両菩薩が立っております。 鎌倉時代の作です。
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龍華殿の右奥に位置する霊明殿は皇室の御尊牌を奉安されているところです。
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霊明殿の裏側(東側)の客殿
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客殿からは、書院に続く庭園がひろがっております。
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庭園の向うに悟りの窓がある書院が見えます。
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客殿の屏風図
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庭園の楓は、新緑や紅葉の季節にもう一度見にきたいですね。
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庭園の北側に位置する書院にある悟りの窓
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右手の建物が、客殿です。
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書院から庫裏に戻り台所に「走り大黒天」があります。
左足を一歩踏み出した姿ですが、1日でも一刻でも早
く衆生に福を授けに来ようと走っている姿を表している
そうです。顔は少し険しいですが、気合が入っているの
でしょう。
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この日は、これで帰りましたが、下の写真からは12日にもう一度伺い紅梅の写真を撮ってまいりました。
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寒桜の方は、蕾が開花して新緑の葉っぱも芽吹いておりました。
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庫裏の前のはねずの梅は、蕾のときは赤紅色でしたが、咲いてみると綺麗な桃色をしておりました。 のはねずの梅は
小野小町ゆかりの山科の随心院が有名で今見頃を迎えております。
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12日現在でまだ満開になっていなかったので、もう暫く見頃が続くと思われます。 車で行くと簡単なのですが、徒歩の
方は泉涌寺から少し登りになりますが、是非訪れてみてください。
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泉涌寺への帰り道です。