今年は、例年に比べ寒さか厳しく城南宮の枝垂れ梅も1週間ほど遅れておりましたが、ほぼ満開に近い状況になってまいりました。
平安遷都の際、都の南に国の守護神として創建された城南宮は、国土守護の国常立尊(くにのとこたちのみこと)、武勇に秀でた八代矛神(やちほこ
のかみ)、安産と育児の神様でもある息長帯比売命(おきながたらしひめのにこと)(神功皇后)をお祀りされております。平安時代の末、交通の要衝で
もあり、風光明媚なこの地に白河上皇が壮大な離宮を造営して院政を開始されると、歌会や宴、船遊び競馬(うまくらべ)がしばしば行われ、王朝文化
が華麗に花開きました。
また熊野詣でに先立ち、道中の安全を祈って城南離宮で身を清めて出発する慣わしとなり、方角の災いを除く方除(ほうよけ)・旅行安全の信仰がたか
まり、旅行・運送会社や車を使う事業所などはお祓いに訪れております。
正面の拝殿の西側にある祈祷申込みの建物は現在改築中になっております。
入口の鳥居を潜りすぐ左手に神苑への入口があります。
神苑は、大きく5つの庭園に分けられており、最初に入口を入りますと、この時期は両サイドに数十種の椿の花に迎えられます。そこを通り抜けると春の
山と題された枝垂れ梅が見えてまいります。
神苑入口で入場料を払い入場いたしますと、両サイドに数十種類の椿が、花を咲かせております。
改修中の社務所の銅葺きの真新しい屋根が目に入ります。
枝垂れ梅も紅梅と白梅があり、通路の左右に植え分けられております。
この日は、晴天にも恵まれ、多くの方が来苑されておりました。
春の山を見終え竹薮を抜けますと本殿の北側を回り神楽殿東側の平安の庭へとつづきます。
本殿裏側
神楽殿東側に紅白一本づつの梅の木があります。
平安の庭と名付けられた庭園は、池を中心に草木が配されております。
曲水の宴が催される庭園
北側の庭園を回りますと、一度門外に出て南側の庭園に入ります。
道路を渡り、南側の庭園に入りますと、室町の庭と名付けられた庭園が目に入ってまいります。この庭園は、池泉
廻遊式の庭園で、湖畔に配置された紅枝垂れ桜やつつじや藤の花など、色とりどりの花々が季節ごとに愉しむこ
とが出来ます。
庭園の南半分は、芝生が敷かれた広々とした桃山の庭になります。
池の畔に建つ楽水軒茶室では、お抹茶を頂くことが出来ます。もちろん有料ですが。
4月の開花を待つ二本の紅枝垂れ桜
茶室前の紅白梅
茶室前に咲く紅白の梅と向こうに見える、唐渡天満宮
桃山の庭は、大きな刈り込みの前に芝生が広がる明るい庭園で、安土・桃山時代の豪壮な気風を映しています。
池の西の端には、船着場があり藤棚の花が五月頃に見頃を迎えます。池の左手は、つつじやサツキの刈り込みが配置されております。
五つ目の庭園は、南側庭園の東側に位置し城南離宮の庭と名付けられております。 杜若の小路を抜けますと枯山水の庭園が現れ城南の地が最も華
やかであった離宮時代の風景を表しております。
離宮の庭を最後に、庭園の散策を終え、出口を出ますと、芹川神社(唐渡天満宮)があります。
菅原道真公を祀る唐渡天満宮は、平安末期(1110年)現在地の南方1キロの芹川荘に創建されましたが、明治45年、 付近一帯の鎮守社である城
南宮の境内社に合弁遷座されました。
唐渡天満宮の隣では、枝垂れ梅をはじめ色々な苗木が販売されておりました。