京の四季 名勝散策 写真集

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太秦 広隆寺 秋紅葉 2013.11.26

2013年11月28日 | 洛中 西部

      

      広隆寺は、真言宗系の単立寺院で、古くは蜂岡寺、秦寺、秦公寺、葛野寺、太秦寺など、さまざまな名称で呼ばれた寺院で、もっとも古い呼称は

      蜂岡寺と呼ばれ、推古天皇11年(603)に建立された山城最古の寺であるとされております。  門前に三条通りが走り、京福電鉄の広隆寺駅が

      あり嵐山への行き返りに立ち寄られる方も多く京都市内の中でも交通の便の良い所に立地しております。。

 

 

 

 

      

      寺伝によりますと、蜂岡寺を聖徳太子が在世中に建立した七大寺の一つとしされております。太子建立の七大寺とは、1.法隆寺(法隆学問寺)、

      2.四天王寺、3.中宮寺(中宮尼寺)、4.橘寺、5.蜂岡寺(広隆寺)、6.池後寺(池後尼寺、法起寺)および7.葛木寺(葛城尼寺)と云われてお

      りますが、聖徳太子が実際に建立したのは斑鳩寺(=法隆寺)だけとも云われており、後の寺院は聖徳太子にゆかりがあった人々によって建てら

      れたものであると説明されております。 

 

 

 

 

 

      

      広隆寺の創建についても、聖徳太子ではなく秦河勝が建立したことを示す次の話が『日本書紀』に載っているそうです。推古11年11月1日、太

      子は群臣を集めて「私は尊い仏像を持っている。誰かこの仏を祀るものはいないか」と訊かれ、このとき、秦河勝が進んで申し出て「臣(やつが

      れ)がお祀りしましょう」と言って仏像を貰い受け、蜂岡寺を造ったと云われているそうです。  

 

 

 

 

 

      

      広隆寺は、国宝第一号に指定された「弥勒菩薩像の他、20点もの国宝が祀られていることで有名な寺院で、特に紅葉の木が多い所ではありま

      せんが、モミジ以外の木々も含めそれなりに秋の景色を見ることが出来ました。

      正面の楼門をくぐり石畳を進みますと、右手に赤堂と呼ばれる講堂が建ちます。 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      講堂(赤堂) 永万元年(1165)に再建された建物で、京都に現存する最古のもので重要文化財の指定を受けております。中央に本尊の阿弥陀

      如来坐像(国宝)が安置されており、承和7年(840)に没した淳和上皇の追善供養のために、女御の永原御息所の発願により造立されたといわ

      れております。脇侍仏として、向かって右に地蔵菩薩坐像、左に虚空蔵菩薩坐像(ともに重文)が安置されているそうですが、御堂の中が暗くてよ

      くは見えません。

 

 

 

 

 

      

      講堂東側に建つ石碑 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

  

      

 

 

 

 

 

 

       

      石畳を挟み西側には、薬師堂、能楽堂、地蔵堂が三棟並んで建っております。 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      石畳の正面に本堂となる上宮王院太子殿が建ちます。 享保15年(1730)に建立された本堂には、秘仏の本尊・聖徳太子立像を内陣に安置さ

      れており、開扉されるのは毎年11月22日に行われる御火焚祭(おひたきまつり)の時だけだそうです。

 

 

 

 

 

      

      この本尊は、聖徳太子が秦河勝に蜂岡寺を建立させた33歳ころの姿を写したものだと云われており、元永3年(1120)に僧定海が発願し、仏師

      の頼範が造立したことが、像内の銘で確認されております。古来、歴代天皇の即位式に着用した黄櫨染(こうろぜん)の御袍(ごほう)が下賜され

      て、それをこの像に着せていると説明されております。 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      上宮王院太子殿の西側を進みますと参拝受付所があります。 

 

 

 

 

 

      

      拝観料700円を払い弥勒菩薩像が安置されております新霊宝殿に向かいます。 

 

 

 

 

 

      

      上宮王院太子殿の西側と左手の弁天社 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

      

      弁天社 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

      

      

      受付左手の書院の土塀

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      霊宝殿前庭 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      上宮王院太子殿の東側面 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

           

      「宝冠弥勒」(国宝彫刻の部第一号)は、右手の薬指を頬にあてて物思いにふける姿で知られており、しかしこの像は、当時多くの仏像が楠で造ら

      れているのに対して赤松で造られているため、『日本書紀』記載の推古31年(623年)に新羅から伝来したものとする説が有力でりましたが、

      1968年大きく抉られた内繰りの背板に楠材が使用され、背部の衣文もこれに彫刻されていることが判明し、断定できなくなっております。

      弥勒菩薩とは56億7000万年後にこの世に現れ、人々を救うという未来仏であると説明されており半跏像は右手の指を頬に近づけ、まっすぐに

      下ろした左足に右足首をのせて、衆生の救済方法を思案している姿であるといいます。 聖徳太子が秦河勝に授けた仏像は、この宝冠菩薩とさ

      れております。

 

 

 

              

       木造阿弥陀如来                                                 木造十二神将立像のうち珊底羅(宗藍羅)像

      広隆寺には、仏像だけでも国宝が17体、重要文化財が31体もあり、この寺は818年と1150年に火災にあって創建時の諸堂はことごとく失わ

      れたにもかかわらず、これだけ多くの仏像が護られてきたことは、奇跡に近いといわれております。新霊宝殿には50数体の仏像が安置されてお

      り、一同に拝観出来ます。 しかしながら、旧霊宝殿の時は、弥勒菩薩像が手の届く位置に置かれておりあまりの近さに感動いたしましたが、今 

      は、少し離れた壇上に安置され以前ほどの感動を感じることが出来なくなったのが少し残念でした。 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

                      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      旧霊宝殿 

 

 

 

 

 

      

      書院 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      地蔵堂    車で来られた方は、右手に進みますと駐車場があります。 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      書院南門 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

 

 

 

      

      大型バスも十分入るスペースがありますが、紅葉シーズンの三条通りは、嵐山行が大変混雑して動かなくなりますので、特に土日は車では行か

      れないことをお勧めいたします。 

 

 

 

      祇園 割烹 ふじ原 ホームページ リニューアルいたしました。

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