青蓮院門跡では、毎年春と秋に、夜の特別拝観、ライトアップを開催しております。
長屋門 拝観入口の手前右手に建つ門で、明正天皇の中和門院の旧殿の門を移築したものです。門前には名木「楠」が五本あり、親鸞聖人御手植
と伝えられております。京都市の登録天然記念物指定他として多数の指定を受けております。
既に恒例となっておりますが、一体何故青蓮院で夜の特別拝観を実施するのでしょうか。(青蓮院ホームページより)
ご本尊の熾盛光如来は、光そのものであり、その化身の不動明王(国宝青不動明王を祀る)も炎の光を背負っておられ、当院は光との関係が大変深
くなっております。
夜間拝観は、お昼の拝観順路と異なり、まず大玄関から宸殿に向かいます。
青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)は、天台宗総本山比叡山延暦寺の三門跡の一つとして古くより知られ、現在は天台宗の京都五箇室門跡の一つ
に数えられています。青蓮院門跡は、古くより皇室と関わり深く格式の高い門跡寺院(門主(住職)が皇室或いは摂関家によって受け継がれてきたお寺
のこと。) 天台宗の三門跡寺院…青蓮院、三千院、妙法院 五箇室…青蓮院門跡、妙法院門跡、三千院門跡、曼殊院門跡、毘沙門堂門跡となって
おります。なお、「一隅を照らす」の文字は、比叡山に建つ石碑に刻まれている文字です。
闇に浮かんでは消える木々や花々の幽玄な世界、光の中で雄大な力を感じる天然記念物の大クスノキ5本、青く光る静清な竹林、一面の苔庭の海
に浮かぶ光の星。皆様お1人お1人の光がご本尊の功力によって、夜空に光のたばとなって駆け上がり世の中を明るく照らしていただきたいとの願い
を込めております。
宸殿前の庭園では、数十秒ごとにLEDが点滅を繰り返し幻想的な景色を醸し出しております。
青蓮院は、応仁の乱の際、兵火を免れず、徳川氏には豊臣氏滅亡後今の知恩院の全域を取り上げられましたが、相阿弥の作と伝えられる龍心池を中
心とする室町時代以来の庭園から粟田山将軍塚にわたる境内は今日まで保有され、徳川幕府も殿舎の造営には力を致して東福門院の旧殿を移して
宸殿を造りました。
宸殿には、元三慈恵大師像と慈鎮和尚像が祀られております。
宸殿から小御所の廊下より
宸殿から小御所に架かる廊下にある一文字手水鉢は、太閤秀吉の寄進したものと書かれております。
小御所
小御所から華頂殿に移動しますと、おなじみの蓮の襖絵が鮮やかに目に飛び込んでまいります。 夜間拝観中は、華頂殿は有料のお茶席になって
おります。
華頂殿には売店があり、青蓮院の国宝「青不動明王」の軸なども販売なされております。
華頂殿玄関で靴を履き庭園へと向かいます。
小御所への廊下の下を潜りぬけますと、相阿弥の作と伝えられる龍心池の前に出ます。 こちらの庭園のライトアップも10秒程度で点滅を繰り返し、暗
闇から浮かび上るる紅葉や竹林が幻想的に演出されております。
龍心池 花崗岩の切石二枚で作られた、半円形の反りの美しい石橋を跨龍橋と呼び、滝を洗心滝と云います。龍心池の中央には二千貫に近い大石
があり、あたかも沐浴する龍の背のようにみえるそうです。
華頂殿の東側庭園も小堀遠州作で霧島の庭と名付けられております。 好文亭裏側山裾斜面から一面に霧島つつじが植えてあり、五月の連休の頃、
一面を真っ赤に染めることから、霧島の庭とも云います。
こちらは、昨年の同じ時期に伺った時の写真ですが、色付き具合が全然違い今年の温かさを象徴しております。
霧島の庭に佇む好文亭 後桜町上皇が当院を仮御所として御使用の際、お使いになったご学問所であり、明治以降茶室として活用しておりましたが
放火により平成五年に焼失しいたしました。現在の建物は平成七年秋に復旧落慶したものです。本院所蔵の創建当初の平面図「御学問所」を基に木
材等の材質も全く同じ、工法も同じで、完全復元された本格的数寄屋造となっており、障壁画十三画は上村淳之画伯の御奉納による花鳥図です。
好文亭前から見る小御所 平安時代末は門主の居間でありましたが、後櫻町上皇が当院を仮御所としてお使いの際上皇もご使用になった建物です。
但し明治に焼失した為、江戸中期の建物を移築しております。
好文亭玄関
好文亭前を進みますと幻想的な竹林の前に出ます。
竹林を左に登った所にある日吉社
宸殿前の庭園に面し、小御所の南側に位置する本堂の東側には、国宝の青不動画像(複製写真)が安置され、堂内の厨子にはご本尊「熾盛光如来(し
じょうこう)」の曼荼羅が安置(秘仏)され、本堂の東裏にはその他、不動明王木像、薬師如来及び日光月光菩薩・十二神将像、歓喜天像、毘沙門天像
も安置されております。
宸殿前庭園
庭園南西角にある梵鐘
左手勅使門と右手宸殿
正面が本堂です。
勅使門横に建つ親鸞聖人の幼少期の像、浄土真宗の祖親鸞聖人は、慈圓門主のもとで得度したため、青蓮院は
同宗の聖地の一つとなっており、得度の時の馬を繋いだと云われる場所に像は建っております。なお、親鸞聖人の
得度の折、剃髪した髪の毛を祀る植髪堂が、境内北側にあります。
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