観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

オレンジ色のくちばしのオナガガモ?!

2017-10-06 20:01:12 | 秋の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間12時12分 潮位 52cm
今日の満潮時間18時21分 潮位266cm

 

今日は昼前から雨が降り出し、潮が良いのに、シギ・チドリを屋外でじっと観察することができず残念でした。

しかし、雨が降り出す前に急いで干潟を見に行ったところ、短時間の観察ではありましたが、護岸近くの干潟には、シロチドリ、メダイチドリ、ダイゼン、トウネン、ハマシギ、オバシギ、アオアシシギ、イソシギ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、オグロシギ を観察できました。

秋のシギ・チドリの渡りは終盤に入っていますが、まだ多くの種類のシギ・チドリを見られるのでまだまだ秋の渡りを楽しめます。

(ただ、残念ながら、ダイシャクシギとホウロクシギはここ数日姿を見ていません。)

また、以前もこの日記に書いた通り、今年の秋はトウネンの飛来数が非常に多く、トウネンを間近に観察できる機会が多く、バードウォッチャーの皆さんに非常に喜ばれています。

 

明日は雨の予報ですが、ご案内しているとおり、「10月の渡り鳥調査隊」を実施します。

雨が降っている場合は館内から野鳥観察&野鳥カウントを行います。

雨が降ると視界は悪いでが、天気が悪い方がシギ・チドリが多数飛来する傾向にはありますので、お時間のある方はぜひご参加ください。

【10月の藤前干潟の渡り鳥調査隊】
 日時:10月7日(土)10:00~12:00
 場所:名古屋市野鳥観察館
 対象:小学生以上
 定員:20名
 参加費:無料
 持ち物:帽子、水筒、双眼鏡(お持ちであれば) 
 申込み・問い合わせ先:名古屋市野鳥観察館(TEL/FAX)052-381-0160
 ※詳細はこちら(PDF)をご覧ください。

 

今日のお昼頃からは、雨が強くなり、視界が悪くなってきましたが、オナガガモの群れの中に鮮やかなオレンジ色のくちばしをしたカモを1羽みつけました。

大きさや形はオナガガモなのに、何故かくちばしの基部から中央部くらいまでがオレンジ色をしていました(本来のオナガガモのクチバシの色は黒っぽい色です)。

干潟が広がるにつれて、このオナガガモの群れが野鳥観察館に近づいてきたので、望遠鏡でよくよく見ると、くちばし自体がオレンジ色なのではなく、くちばしがオレンジ色の何かに覆われており、しかもこれには「887」という番号が書いてあるようでした。

インターネットで調べた限りでは、これはNasal saddle(鼻サドル)と呼ばれるカモのくちばし(鼻の穴)に付ける標識のようです。

このような標識を見たのは初めてで、とにかく驚きましたが、オナガガモの標識個体のようだと分かってほっとしました(最初は誰かにいたずらされたり、ごみがはまってしまったりしたのかと思ったので・・・)。

【2017年12月28日追記】

このオナガガモの観察報告をした山階鳥類研究所からこのオナガガモについての詳細情報が届きました。

このオナガガモは、2016年11月29日に中国の上海にある九段沙自然保護区で標識をつけられ、放鳥された個体と確認されたそうです(コメント欄で情報いただいていた通りでした)。

なお、標識に記載してある番号は「887」だと思っていましたが、「B87」だそうです。

 

また、先日、稲永ビジターセンターの「実物大のミサゴの展示」を紹介しましたが、今日は野鳥観察館にもミサゴのほぼ実物大の写真を展示しました。(稲永ビジターセンタースタッフと名古屋自然保護官事務所のご厚意で同じものを野鳥観察館用に印刷してもらいました(ミサゴの写真は当館スタッフ撮影です))。

やはり、実物大の写真は迫力があります。ぜひ、野鳥観察館および稲永ビジターセンターを訪れた際は間近で見て、ミサゴの大きさを実感してみてください。

昨日はミサゴの飛来数が32羽で、今年は早くも30羽を超えました。ミサゴの季節は始まっています!

 

明日の干潮時間12時47分 潮位 59cm
明日の満潮時間18時51分 潮位264cm

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2 コメント

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上海からのようですね (hashi)
2017-10-11 22:24:34
オレンジのNasal saddleは中国・上海で装着されているようですね。
http://eaaflyway.net/documents/NASAL%20SADDLES%20for%20Ducks.pdf

Jiuduanshan NNR(上海九段沙湿地国家级自然保护区)というのは、長江河口、空港沖の島のようです。
https://baike.baidu.com/item/%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E4%B9%9D%E6%AE%B5%E6%B2%99%E6%B9%BF%E5%9C%B0%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%BA%A7%E8%87%AA%E7%84%B6%E4%BF%9D%E6%8A%A4%E5%8C%BA
hashi様へ (名古屋市野鳥観察館)
2017-10-12 21:08:33
オレンジのNasal saddle等についてお知らせいただきありがとうございます。
今回のオナガガモの標識鳥については、当館から山階鳥類研究所に報告しており、山階鳥類研究所からは中国へ報告、問い合わせしているそうです。
回答までには時間がかなりかかりそうとのことですが、何かわかりましたら、この場でまた報告したいと思っています。

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