“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

ち(血)・ぎょうがまえ(行)・ころも(衣)の漢字①

2014-04-13 16:50:44 | 日記
こんにちは。
新年度も無事スタートし、しろねこは中3の子たちの国語を教えながら、来る学校行事や生徒会に関わる数種の事柄について、同時平行で準備を進めています。
今年度は、保護者の方々が構成している会の事務局にも入ることになり、それが2種類あるのですが、今年度は両方の担当が回ってきたので(昨年度までは片方だけの担当だった)、土曜日も時々多めに時間をとられることになりそうです。

仕事は気がついた分だけ各方面増えるものですが、
質は落とさずに上手く整理していきたいところです。


さて、昨年9月下旬(→むしへん・とらがしらの漢字)以来、中断されていた類の記事です。

昨年2月上旬から三省堂ケータイ漢字辞典で引く1級配当漢字を含んだ語を、しろねこはA5版ノートにまとめ続けているのですが、
その中であまり漢検過去問では馴染みが無かったり、協会の要覧には無いものの他社の編集ならではの解釈をこちらに疎らに挙げていました。

心の中ではこの流れの記事の中断をずっと気にしていたのですが、
仕事のサイクルや私のケータイ内の他のデータの関係で、更新が暫くままなりませんでした。

また無理のない範囲内で、続きを挙げていきたいと思います。


『要覧』212頁「衄」~「袱」


・「衄(ジク)」=鼻血、敗れる の意。
※要覧には載ってないが、三省堂ケータイ漢字辞典では、「衂」が異体字として示されている。

・「[血+蔑(ベツ)]」=ケータイ辞典には説明無し。
要覧での訓は「はなぢ」「はずかし(める)」「けが(す)」で、何ともまがまがしい意味の字。
文字から臭いがしてきそうです。

・「衍義(えんぎ)」「敷衍(ふえん)」
→「衍」=ひろげる、しく。
・「衍字(えんじ)」「衍文(えんぶん)」
→「衍」=余分な。
※「衍」の訓は、要覧で7つも示されている。

・「衒学(げんがく)」「衒気(げんき)」
→「衒」=余分な。
・「女衒(ぜげん)」
→「衒」=売る。
※中島みゆきさんの「やまねこ」の歌詞に出てきます。

・「偏衫(へんさん)」…僧衣の一。
→「衫」…ひとえの着物。

・「槍衾(やりぶすま)」…大勢が並んで槍を構えること。
→「衾」=夜具。

・「衵(ジツ/なれぎぬ・ふだんぎ・あこめ)」=ふだんぎ、はだぎ の意。
※「はなぢ」もですが、「ふだんぎ」という訓を持つ漢字が存在するのが、現代語の常用漢字と引き比べると面白いです。それだけ晴れと褻の区別が、昔は明確だったのかなと思います。

・「衲衣(のうえ)」…僧衣、僧。
・「衲子(のうす)」
→「衲」=僧侶の衣、僧。

・「衲被(どうひ)」…つぎはぎの衣。転じて、他人の文章をつぎはぎにした文章。
→「衲」=繕う。

・「袙(ハ・バツ)」=はちまきの意。また、日本ではあこめの意。
※↑ということは、中国では「袙」ははちまきの意で使われているのですね。要覧での訓は「うちかけ・あこめ」の二つのみです。

・「広袤(こうぼう)」…面積。
→「袤」=南北の長さ。
※「広」=東西の長さ。

・「袱紗(ふくさ)」
→「袱」=ふろしき。


ころもへんの字は、次回に続きます。