“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

ほとぎ、あみがしらの漢字

2013-08-11 21:39:50 | 日記
今晩は。

関東とは比べものになりませんが、毎日暑いです。昨日は、日本列島全体が暑い1日でした。
昨日夕方には、地区の保護者懇談会のひとつ(地区毎に日程が異なる)があり、しろねこも割り当てだったので行ってきました。

この春卒業した女子生徒(←しろねこは2年生まで国語を担当していました)の弟さんが今現在在校生であるお母様が、
「前に授業参観のとき、うちの娘のクラスの授業ではなかったんだけど、しろねこ先生が(別の教室で)とても熱い授業をしていて、20分くらい見ていたんですよ。その時、しろねこ先生のことを覚えました(笑)」
と話してくださいました。

…熱いというより、実は暑苦しい授業だったかもしれませんが(汗)、己の授業で己の存在を記憶していただけるのは、教師冥利に尽きるかもしれないと思い、ちょっと嬉しくなりました。


さて、『要覧』198頁「缶」~199頁「覊」です。

・「缶」=本来「罐」とは別字だが、「罐」の略字として用いられてきており、常用漢字の字体となっている。

・「酒缸(しゅこう)」
→「缸」=酒などのかめ。

・「罅隙(かげき)」「裂罅(れっか)」
→「罅」=ひび。

・「罌」=容器のかめ。腹が大きく口がつぼんだかめ。→難読語「罌粟(けし)」に使われる字。

・「罍子(らいし)」
→「罍」=酒だる。「櫑」が異体字だが、ちょっと覚えにくい。

・「罎」=「壜」=「瓶」=「びん」。

・「罔羅(もうら)」…網羅。
→「罔」=あみ。
・「欺罔(ぎもう)」「誣罔(ふもう)」
→「罔」=あざむく。
・「罔両(もうりょう)」…魍魎。
→「罔」=山・川の精気から生じる化け物。

・「罘網(ふもう)」
→「罘」=鳥獣をとらえる網。

・「罟師(こし)」…漁師。
・「数罟(さくこ)」…目の細かな網。※読みが曲者。
・「網罟(もうこ)」
・「羅罟(らこ)」…網。
→「罟」=漁網。

・「罨法(あんぽう)」…湿布。
→「罨」=おおう。

・「罧」=しのづけ(魚をとるしかけの一)。要覧では「ふしづけ」の訓あり、「しのづけ」の訓なし。検索エンジンで出てくる表記は「柴漬け」。

・「冪根(べきこん)」…累乗根。
→「冪」=累乗。俗に「巾」で表すこともある。
・「冪冪(べきべき)」…一面に覆うようす。
→「冪」=覆う。

・「羇旅(きりょ)」
→「羇」=旅をする。

・「覊束(きそく)」「覊絆(きはん)」…束縛。
・「不羈(ふき)」…自由。
→「覊」=つなぎとめる。

…では、暑さに負けずに机に向かいます。

いとへんの漢字③

2013-08-07 23:56:44 | 日記
今晩は。
本日は、立秋でしたね。

8月3日(土)にやっと、しろねこの地域も梅雨が明けました。
明けた日の夕方は、路地を通る風が湿っておらず、身体と衣服の隙間をからっと吹き抜け、漸く夏の到来を実感しました。

……と思いきや、今週はまたも強い雨が降り、空気に湿度が戻り、その中で辛うじて無事に花火と夏祭りが行われています。
しろねこは通勤の早朝と夜、祭りの名残をあちこち目にしながら、街を通り過ぎています。
新幹線内や駅近辺の店内の冷房が梅雨明け前に比べて積極的に作動していることが、祭りでの人の移動の多さを感じさせます。

取り敢えず、亀の歩み(亀ほど慎重かは疑問)でいとへんコンプリートです。


『要覧』197頁「縡」~198頁「纜」

・「縡切れる(こときれる)」=事切れる。
→「縡」=息、いのち。

・「縉紳(しんしん)」…官位が高く身分のある人。笏(しゃく)を紳(おおおび)にはさむ意から。
→「縉」=はさむ。

・「行縢(むかばき)」…遠出の外出、旅行、狩猟の際、両足の覆いとした布帛、毛皮の類。

・「覊縻(きび)」…馬の手綱と牛の引き綱。転じて、束縛すること。
→「縻」=牛の引き綱。

・「縵舞(まんぶ)」「縵縵(まんまん)」
→「縵」=ゆるやか。
・「縵帛(まんぱく)」…模様の無い絹地。
→「縵」=絹布。

・「縹渺(ひょうびょう)」
→「縹」=遠くかすかな様子。
・「縹色(はなだいろ)」…薄い藍色。

・「繃帯(ほうたい)」…包帯。
→「繃」=ぴったり巻き付ける。

・「縷縷(るる)」「一縷(いちる)」
→「縷」=糸、細長いもの。
・「縷言(るげん)」「縷述(るじゅつ)」「縷説(るせつ)」
→「縷」=くわしい。

・「縲紲(るいせつ)」…牢に入れられること。
→「縲」=しばる、しばる縄。

・「繧繝(うんげん)」…織物の一。
→「繧」=色をぼかした布。
→「繝」=錦の模様。

・「儀繖(ぎさん)」…儀礼用の絹傘。
→「繖」=絹張りの傘。

・「演繹(えんえき)」
→「繹」=たずねる、ひきだす。
・「絡繹(らくえき)」
→「繹」=ひきつづく。

・「繻子(しゅす)」「繻珍(しちん・しゅちん)=朱珍」
→「繻」=絹織物。

・「辮髪(べんぱつ)」
→「辮」=編む。

・「纐纈(こうけち・こうけつ)」「蝋纈(ろうけつ)」
→「纐」「纈」=絞り染め。

・「纓(えい)」
(1)冠の後ろに付ける細長い布。
(2)顎の下で結ぶ冠のひも。
※改めて見てみると、(1)をよく分かっていなかった。

・「纛鼓(とうこ)」…軍中の大旗や鼓。
・「左纛(さとう)」…天子の車の横木の左端に立てた旗。
→「纛」=軍旗や馬車の飾りに立てた旗。

・「纉継(さんけい)」「承纉(しょうさん)」
→「纉」=受け継ぐ。

・「纜」=ともづな。
・「電纜(でんらん)」…ケーブル。


では、また。