“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

予想外に備えて

2016-03-30 12:27:32 | 日記
桜の開花を楽しみに待つ時期となりました。朝晩気をつければ、着るものを1枚減らしても風邪を引かなそうな日も多いです。

しろねこの職場では先日次年度の人事が発表され、送別会も済み、生徒は1週間余りの休みですが、職員は片付けと引き継ぎに追われて出勤しています。毎度のことですが、しろねこは何かの時のために何でも紙で残しておく癖と、前の仕事の残骸を捨て切らないまま次の仕事にかかってしまう癖があり、机上が紙の山で、半日ほど巨大シュレッダーのお世話になってから次の作業に入ることになります。

1週間ほど前になりますが、しろねこへの内示があり、予想外にも今の配置から全く違った先へ異動しなければならないことを知りました。この度は職場全体の人事の大きな動きがあり、しろねこにとっては2年後あたりに来るであろう異動が、いきなり降ってきてしまったのです。
校長から聞かされた学年を聞き間違いではないか確認するためと、自分に信じ込ませるためと、2度聞き返してしまいました。1日で何とか立ち直りましたが、内示があった朝に限ってすぐに授業が3時間連続で入っており、これまで中2からずっと一緒だった彼らと離れることを思うと、その日はつらくて顔を見たくありませんでした。それだけでなく、この1年間、彼らが2、3年生になる姿を想像しながら手塩にかけてきた高入生のクラスも、もう自分で見ていくことがかなわないのです。俄には信じられませんでした。昨日までそこに立っていた巨木が、今日見たら無惨にバッサリと切られていたような心境です。

――しかし、考えてみれば生徒は保護者と職場からの預かりものです。いざとなったら授業の中でいつも、「明日もし何かで私がいなくなっても、これは今日私から習ったこととして覚えておきなさい」と言ってきたのに、その私がいざ本当に立ち去ることになり、こうして少なからず動揺してしまったのですから、笑える話です。
卒業し第一志望校に合格するまで自分の責任だと思って面倒をみる覚悟がいくらあったとしても、“自分の学年だ”と執着してしまった途端、そこには必ず捻れたものが生まれてしまいます。しろねこは今の学年が本当に大好きすぎて、そうなってしまいそうな自分が生まれつつあるのだとしたら、いっそ離れて修行する運命のほうが、彼らにも結果的にはよいのかもしれない、と置かれた状況に納得はするようになりました。あとは年度明け、職員室の机の配置を見て生徒が何を言ってきても、平常心でいる心の準備をすることです。一つひとつの気持ちと訣別していくしかありません。

新しく受け持つ子どもたちに対しても漢字を勉強するストレスを軽減するべく、しろねこもさらに勉強しなくてはなりません。勿論漢字だけでなく職業的なことすべて、基礎から自己点検し、また頑張っていきます。人生何があるか本当に分からないので、そこを考えて何でも自分で観察して、受け身でなく頭と手足と五感をフル稼働していることが大切なんだな、と改めて感じる出来事でした。自分の気が向いてから腰を上げたのでは、世の中遅いこともあるのです。休み明け2日間はまだ元の学年に授業ができるので、彼らにも精神力をつけてもらうために、そのことは伝えて去ろうと思っています。

では、昼休みを終えて職場に戻ります。