下町ロケット (小学館文庫) | |
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小学館 |
ここのところテレビドラマにもなって人気の出ている小説だ。まず文庫本にもなっている「下町ロケット」から。この小説、中小企業診断士のテーマでいうと、資金繰り、知財戦略、中小企業の機動力を活かす、当たりである。
さらにナカシマ工業の「法律に触れないなら何をやってもいい」という考えは、コンプライアンスやCSRの世界では完全に否定されている。また帝国重工のように対外的なメンツのために、社内の軋轢、中小企業への圧力の部分も、ほんとにありそうな部分だ。週刊誌のネタなどは、実際にはあんまりない話。
もうひとつ、佃製作所の特許、ロケットや水素エンジンに使う「バルブシステム」は、どうもピンと来ない。私はサラリーマン時代にガス会社の施設管理を担当していたことがあるが、導管の途中についているバルブもよく知っている。バルブのメンテナンス記録のシステム化を担当したくらいだ。
そのバルブは、口径が150ミリや300ミリといった大きなもので、道路のマンホールの中にすっぽり入っている。テコのようなものを使って開閉したり、グリスを注入したりしていた。 佃製作所のように微妙な制御をする機械のイメージはない。同じバルブでも、まあそんな使い方もあるんだろう。
さて、次は下町ロケット2、こちらは発売されてまだあんまり立たない。書店に平積みだ。どんな展開になるのやら。