局観 (日経ビジネス人文庫) | |
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日本経済新聞出版社 |
昨年お会いしたライフフネット生命の出口さん、1月から立命館アジア太平洋大学の学長に就任された。私は出席できなかったが、年末に壮行会があった。その出口さんの書かれた本、「大局観」から。
森を見るタテヨコ思考。森を見るとは言わずと知れた「木を見て森を観ず」からだ。この森を見るためには、タテヨコ思考がいいという。タテは「歴史」、ヨコは「他社や外国」だ。
タテ思考の例が書かれている。北京オリンピックの時、北京は空気が悪く、スポーツができるか心配された。ところがある人が、50年前の東京オリンピックの頃の東京の空気汚染を調べると、当時の東京の方が悪かったという。
また中世では、中国のGDPは世界の1/3あったそうだ。今中国のGDPは伸びているが、それは人口も多いため、長い目で見れば復活しているだけだそうだ。
ヨコ志向では、少子化だ。紀元前1,500年のバビロニアでは、中産階級が増えて少子化が問題になってきた。少子化すると経済成長しなくなる。すると辺境の民族が移民となって、住みついて再び経済成長したそうだ。
少子化で言えば、フランスの例。この国もしばらく前は少子化に悩まされていた。しかし、移民政策でこれを乗り切った。EUでは移民排斥運動は続いているが。少子化の国で繁栄はありえない、これが世界の歴史的事実。
自分も今からでも遅くはない。仕事では「タテヨコ思考」を心がけよう。歴史書を読み、古い寺社を訪問、他社見学や海外旅行に出かけることだ。こりゃ楽しみだわい。