国立西洋美術館「ルーベンス展-バロックの誕生」を観てきた。とりあえずの超サクッと感想をば...(^^ゞ
「ルーベンス展」会場前ホールの壁に大きなスクリーンが設置されており、イタリア修業の総決算であるキエザ・ヌォーヴァ(サンタ・マリア・イン・ヴァリチェッラ聖堂) の祭壇画の紹介から始まる映像が流れていた。もちろんカラヴァッジョの祭壇画《キリストの埋葬》(コピー)は出てこない。でも、展覧会でルーベンスが模写していることにも触れていないし、なんだか寂しかったなぁ。ちなみに、会場に図録が見えず図録も買わずで(汗)チェックしていないが、多分、図録での言及はあるとは思うのだけどね。
で、展示内容の方は大型祭壇画や神話画が来ていてかなり見応えがあり、巨匠ルーベンスのスケール感がよくわかる展覧会となっていた。また、ルーベンスがイタリアで学ぼうとした古代彫刻など(ベルニーニのラオコーン摸刻⇒ベルニーニ(?)>ゲストのむろさんさん情報に感謝!!)も来ており、素描・版画作品も含め興味深く観ることができる。そういえば、ルーベンスも好んだ《ファルネーゼのヘラクレス》は私もパラッツォ・ファルネーゼで観ている(^^)v
今回の展覧会はルーベンスとイタリア美術との関係にスポットを当てており、ルーベンスがイタリア滞在時に影響を受けたイタリア美術、そしてルーベンス作品がイタリア美術に与えた影響を作品からひも解く内容だ。ルーベンスがアントウェルペンからイタリアに赴いたのは1600年、まさにカラヴァッジョやアンニバレ・カラッチが活躍するバロックの誕生時期に重なる。その割に二人への言及が少ないと思うのだけど...。しつこい?
※参考:国立西洋美術館「出品リスト(PDFファイル 約874KB)」(ゲストの山科さん情報に感謝!!)
私的にはルーベンスのイタリア時代初期作品が特に興味深く、ティツィアーノからの影響は勿論だが、私のド素人眼はボルゲーゼの《キリスト哀悼》にベッリーニの影響さえ見てしまった(汗)。《パエトンの墜落》はジュリオ・ロマーノのパラッツォ・デル・テの影響も大ありだと思ったし、ルーベンスが貪欲にイタリア美術を吸収している様が作品から透けて見えるのが面白い。
で、イタリアの画家達への影響だけど、ベルニーニはもちろんと言うべきなのか(ゼーリ説には言及無し)、コルトーナもわかるけど、ランフランコ《獅子を引き裂くサムソン》はルーベンスというよりグイド・レーニの影響大だと思ったし、他にも色々思うことありだった。
ということで、画像とか探してから、もっとマシな感想を書きたいけど、書けるかなぁ(^^;;;
ルーベンス展、愉しまれたならなによりです。
当方、いろんな事情で、あまり遠出ができにくくなっており、2,3重要な展覧会も見逃してしまいました。
ルーベンスの太りすぎの女性たちは、あまり好みではなかったのですが、アントワープで観た圧倒的な筆力に負けて、大画家として認めるようになっております。レンブラントについては未だに理解できませんが、、
貴レポートを読んで、改めて考えたことは、ルーベンスにだまし絵天井画があったかなあ?ということです。
ローマのサンティニャツィオ教会天井画に代表されるような、あれです。欧州には例が多いので、ルーベンスも多数観たでしょうに。あるいは、当時は時代遅れだったのかもしれません。
考えてみたら、鳴門の大塚国際美術館も、ああいうのを一つ作ったら話題作りになるのになあ、とも思いました。
で、私の持っている唯一のルーベンス本:ブルックハルト「ルーベンス回想」に、イタリアでは「フレスコ画以外」を貪欲に吸収したというような記述がありました。山科さんのおっしゃるように、多分カンバス画の時代に移ったからなのでしょうね。
で、ポッツォの天井画をぜひ大塚国際美術館にお願いしたいものです(^^)
金曜日、研修は3時で終わりますが、その後行くか、土曜日ゆっくり行くか…
う〜む…
でもみなさんに触発されたので(笑)、常設展とローマの景観を観ようと思うと、結構な時間になりますよね?
芸術の秋真っ盛りだから、観たい展覧会も重なるけど、時間は限られているし、悩ましいですよねぇ(^^;