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花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

映画「チネチッタで会いましょう(Il sol dell'avvenire)」を見た。

2025-01-06 23:04:46 | 映画

ナンニ・モレッティ監督のイタリア映画「チネチッタで会いましょう(Il sol dell'avvenire)」を見た。

https://child-film.com/cinecitta/

主人公の映画監(モレッティ監督自身が演じている)が撮っている映画は、1956年のハンガリー動乱に対してのイタリア共産党員の政治的ジレンマ&恋愛ドラマ(?)なのだが、現実の主人公(監督)はと言うと、めんどくさい性格が災いし(?)妻から突然別れ話を切り出されたり...。物語は同時進行的に過去の二人(と思われる)のラブストーリーやら、「泳ぐ人」の映画化話やら、映画を取り巻く諸々の問題の発生もありで...果たして映画は無事に完成するのか??という波乱万丈のストーリーなのであった。

まぁ、ナンニ・モレッティらしく皮肉と風刺がたっぷりと効いた映画だが、まるで監督自身の映画論も織り込んだような台詞も多々あり、私的には監督の映画への愛が満ちているように思えた。サーカスが出てくるところなんてフェリーニへのオマージュのようだし、面白かったのは、建築家のレンゾ・ピアノがカメオ出演したり、ティツィアーノ《聖愛と俗愛》が出てきたり、なにより笑えたのはNetflixとの会議。なにしろ190カ国!だから

https://www.youtube.com/watch?v=_gM5Y7aI_Ck

ちなみに、イタリア語の先生曰く、原題の「Il sol dell'avvenire」は左翼的な言い回しだね、と言っていたが、うーん、なんだか皮肉を込めた「明るい明日(未来)」のような気もするのだけど。というよりも、明るい明日が来てほしいという希望なのかもしれない。

ということで、撮影している映画の中ではトリアッティの名が何度も出るのだが、字幕では「書記局長」(多分)になっていた。パルミーロ・トリアッティ(Palmiro Togliatti, 1893-1964)は、当時のイタリア共産党の指導者である。

撮影映画の中での共産党員のジレンマの原因は、1956年のハンガリー動乱において、トリアッティがソ連の介入に対して支持的な態度を示したことにある(プラハの春(1968年)においては、ソ連の介入に対して批判的な態度を示したけど)。現在はウクライナ侵攻...。

まぁ、イタリアの近現代史も色々とあったようで....

レナート・グットゥーゾ 《トリアッティの葬儀(I Funerali di Togliatti)》(1972年)ボローニャ近現代美術館

ボローニャは古くからの大学都市であり、政治的にはやはり左翼系が強い。なのでグットゥーゾのこの大作がボローニャ近現代美術館に展示されているのも何やらわかるような気がした。



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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
塩野さん (ジョバ)
2025-02-28 21:05:11
初めまして
昔塩野作品を制覇しようとした時、
最大の難関だったのが、イタリア共産党讃歌だったのを思い出しました。本当知識がない世界で読むの辛かったです😆
ボローニャで大きな事件があったのが、初めてイタリアに行った時の数年前、これもまったく知らずに行っています。
思えば若かったのですね😆
ジョットの多翼祭壇画、楽しみです!
で、ローマ行き猛スピードで検討中です🤔
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ジョバさん (花耀亭)
2025-03-01 23:43:06
はじめまして、ようこそです♪
塩野さんの「イタリア共産党讃歌」は読んでなくて、さっそく図書館で借りて読み始めました(^^ゞ。なかなか面白く読んでいます。ありがとうございました!!
イタリア共産党については、ちょうどNetflix「幸せの列車にのせられた少年」を見て、その後にモレッティ監督の本作を見て興味を持ったのですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=LyNKC4jUBtQ

恐ろしいボローニャの事件!ありましたよねぇ。知らずにいらっしゃったのは良かったかもです(^^;
来日予定のジョット(工房作?)多翼祭壇画は尖頭部分ですが、もしローマに行かれるならば(見応えある展覧会のはず)、ついでにフィレンツェ(サンタ・クローチェ)の本体もぜひ(^^)/
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前面の虎と・・・ (ジョバ)
2025-03-05 19:37:57
ミラノinローマout フィレンツェで途中下車。着々と計画進行。フォートワース・カンザスシティ・(シカゴ)・デトロイト・クリーブランド・・・行く予定だった、しっかし勝手がわからない旅行が一網打尽できる感涙の展覧会、前面の狼は突破!2004年も2010年も土俵にも乗れなっかたのに。もしかして今回は、ワオ!が、しかし後門の虎に捕まってしまった🤣🤣🤣
残念です😢
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ジョバさん (花耀亭)
2025-03-06 22:28:48
なんと!後門の虎に捕まってしまったのですね(>_<)。残念でした!!
米国は広いから、この展覧会は良い機会でしたが...。ジョバさん、きっと、またの機会がありますとも!!
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バロンチェッリ礼拝堂 (ジョバ)
2025-03-12 19:18:33
ジョットの祭壇画は、バロンチェッリ礼拝堂にあると思われるのですが、ガイドになく自信を持てずにいました。もしやと思い、積読状態だった、Italian Frescoes: the Age of Giotto 1200-1400に写真が載っていて、確信がもてました。肝心のガイドは・・・、英語の羅列に負けました😢しっかし写真が大きくて綺麗😍凄い本だ👍
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ジョバさん (花耀亭)
2025-03-14 22:35:00
おお!「Italian Frescoes: the Age of Giotto 1200-1400」!!素晴らしい大型カラー本のようですね(*^^*)。
ジョバさん、積読はもったいなさ過ぎます!!ジョット巡礼に活用しましょう(^^)/
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