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今日(昨日?)の日本経済新聞「美の粋」を開くと、カラヴァッジョ《リュート奏者》(エルミタージュ美術館)の写真が目に飛び込んできた。
記事はヴァイオリンの歴史とレオナルド(ルネサンス)→カラヴァッジョ(バロック)を結びつける内容だった。レオナルド・ダ・ヴィンチはリラ・ダ・ブラッチョの名手だったようだが、カラヴァッジョの《リュート奏者》の手前に描かれているのはヴァイオリンである。時代的に見ると、レオナルドとカラヴァッジョの間に、クレモナのアンドレア・アマティ(1505頃-1580頃)による現在のヴァイオリン原型の成立が挟まるようだ。
が、私的に特に興味深かったのはフェッラーラのエステ家エルコレ1世(1431-1505年)が、宮廷系のヴィオール属と民族系のヴァイオリン属の融合に一役買った可能性があるらしいことだった。
モデナの「エステンセ美術館」には楽器も展示されており、ジローラモ・アマティ(アンドレアの息子)のヴィオラも展示されていたのだ。
ジローラモ・アマティ(1561-1630年)《ヴィオラ》
更には、パルマのドメニコ・ガッリ(1649-1697年)による超装飾過剰なヴァイオリンとヴィオロンチェロも。
ドメニコ・ガッリ《ヴァイオリン》(左)と《ヴィオロンチェロ》(右)
両者の裏側。ちなみに、演奏できるのだろうか??