花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

仙台市博物館「空海と高野山の至宝」展の感想(1)

2017-07-14 23:35:34 | 展覧会

仙台市博物館「空海と高野山の至宝」展(前期)を観た。仙台での特別展開催は誠に有り難い事で、金色に輝く《大日如来坐像》に思わず手を合わせてしまった。

重文 《大日如来坐像》 金剛峯寺 (平安初期) 通期展示

私的には2004年の東京国立博物館「空海と高野山」展を観てはいたのだが、十年以上も前だから記憶が遠くなっており、今回は改めて気付くことが多々あった。 展示規模の大きい東博と違い、小規模だからこそ、その1点1点を詳細に愛でる余裕ができたのだと思う。

さて、今回の展覧会は前期と後期に分かれての展示だが、仙台市博物館の狭さでは致し方なかっただろう。故に、コンパクトな展示ではあるものの、精鋭の展示物が眼を喜ばせてくれる。なにしろ今回の目玉である国宝「八大童子立像」から6体が来仙、前期には運慶の傑作《制多迦童子》が展示されている。

国宝 八大童子立像(制多伽童子像)(運慶作)金剛峯寺 鎌倉時代(前期展示)

《制多迦童子》はしみじみ観ると、怒気で紅潮しながらも、きりりとした眦(強い眼光は玉眼)と少し膨らませながらも鼻筋の通った顔立ちが、童子と言うよりは(少々ふくよかだけど)イケメン青年と言った方が相応しいのではないかと思ってしまった。正面から見ると表情豊かな怒気面なのだが、横から見るとその端正なプロフィールに意外感を覚えたのだ。纏った衣紋の流れや肢体を傾けるコントラポスト仏像風(?)は運慶ならではの動きの表現だろうか。 

今回の「八大童子立像」は各々ガラスケースに収まって展示されていたが、立像自体はそれほど大きくははない。なので、すっかり気に入った「制多迦くん」を、抱きかかえて家にお持ち帰りしたい♪と切に思ってしまった(^^ゞ

ということで、続く…。