「アルビの<キリストと十二使徒>連作」はこの展覧会のひとつのハイライトだと思います。
画像はちょっと捻って、『槍を持つ聖トマス』ルーヴル美術館蔵です。国立西洋美術館所蔵『聖トマス』の10年ほど後に描かれた作品のようです。少し上品になっていますね(笑)
さて、美術ド・シロートの「ラ・トゥール展」感想です(^^;
★ 『聖小ヤコブ』(油彩、カンヴァス、65×54cm) アルビ(仏)市立トゥールーズ=ロートレック美術館
サイトのBBSでも触れましたが、特に『聖小ヤコブ』の写実描写力に見惚れました。身近なモデルを使い、当時の風俗そのままに聖者(それも上半身)を描く…それも明暗の光を意識した見事な写実描写です。その迫真的表現に静かな威厳を感じるのです!聖者なのですよね。顔の皺、指の爪の汚れ、アトリビュートの棒の静物画的写実…まさにCARAVAGGIOの影響大でした!
★『聖アンデレ』(1620-25年、油彩、カンヴァス、62.2×50.2cm) ヒューストン(米)美術館(個人蔵寄託)
『聖アンデレ』は下塗りの茶色とガウンの真紅、絵具の筆致、光の効果…一番CARAVAGGIO的な作品のように思えます。他の聖者たちが個性的とも言える庶民性を持ち描かれているのに対し、この聖アンデレは内省的な雰囲気で知的な感じさえ受けました。アトリビュートのX型十字架が後ろに見えますが、CARAVAGGIOの聖アンデレ(クリーヴランド作品)とはかなり趣が違うなぁ…などと思いながら観てしまった花耀亭でございます(^^;
★『聖ユダ(タダイ)』(油彩、カンヴァス、62×51cm)アルビ(仏)市立トゥールーズ=ロートレック美術館
さて『聖ユダ(タダイ)』、こちらのモデルもかなり強烈な個性を持って描かれています。眼光鋭く前方を見つめる強い意思…聖者たちの布教の決意というものが伝わって来る作品でした。特に眼の光を描く白の効果…ラ・トゥールって上手いなぁ…と、当たり前のようなことを思いました(^^;。白の効果はCARAVAGGIOも得意とするところです。アトリビュートの鉾槍を持つ指の形がなんとも可愛らしく感じるのが不思議です。ちなみに、私はラ・トゥールの手の描き方が大好きです。
★『聖トマス』(油彩、カンヴァス、65×54cm) 東京(日)国立西洋美術館
『聖トマス』を2002年度の寄託作品として国立西洋美術館で観た時、やはりその手の描写に唸りました。画面は痛んでいますが、アトリビュートの槍を持ち武骨な太い手の甲の薄灰色には画家独特の筆使いを感じます。もちろん、首を傾げる構図による疑い深い聖トマスならではの眼差しが生きていますよね!おでこの皺や光にはもちろんCARAVAGGIOの影響を感じるのでした。しつこいでしょうか?スミマセン(汗)。槍の剣部分の描写も上手いですね~。聖トマスには何だかとても人間臭さを感じるのですが、「いかさま師」などで見られるラ・トゥールの戯画的才能の一旦を観るような気がしました。
この<キリストと十二使徒シリーズ>の他作品(模写作品含む)の写真も一緒に展示されており、シリーズの全容が把握できて嬉しかったです。決して理想化ではなく、庶民のなかに聖者を描いているこのシリーズ作品には、本当にCARAVAGGIOの影響の大きさを感じます。
画像はちょっと捻って、『槍を持つ聖トマス』ルーヴル美術館蔵です。国立西洋美術館所蔵『聖トマス』の10年ほど後に描かれた作品のようです。少し上品になっていますね(笑)
さて、美術ド・シロートの「ラ・トゥール展」感想です(^^;
★ 『聖小ヤコブ』(油彩、カンヴァス、65×54cm) アルビ(仏)市立トゥールーズ=ロートレック美術館
サイトのBBSでも触れましたが、特に『聖小ヤコブ』の写実描写力に見惚れました。身近なモデルを使い、当時の風俗そのままに聖者(それも上半身)を描く…それも明暗の光を意識した見事な写実描写です。その迫真的表現に静かな威厳を感じるのです!聖者なのですよね。顔の皺、指の爪の汚れ、アトリビュートの棒の静物画的写実…まさにCARAVAGGIOの影響大でした!
★『聖アンデレ』(1620-25年、油彩、カンヴァス、62.2×50.2cm) ヒューストン(米)美術館(個人蔵寄託)
『聖アンデレ』は下塗りの茶色とガウンの真紅、絵具の筆致、光の効果…一番CARAVAGGIO的な作品のように思えます。他の聖者たちが個性的とも言える庶民性を持ち描かれているのに対し、この聖アンデレは内省的な雰囲気で知的な感じさえ受けました。アトリビュートのX型十字架が後ろに見えますが、CARAVAGGIOの聖アンデレ(クリーヴランド作品)とはかなり趣が違うなぁ…などと思いながら観てしまった花耀亭でございます(^^;
★『聖ユダ(タダイ)』(油彩、カンヴァス、62×51cm)アルビ(仏)市立トゥールーズ=ロートレック美術館
さて『聖ユダ(タダイ)』、こちらのモデルもかなり強烈な個性を持って描かれています。眼光鋭く前方を見つめる強い意思…聖者たちの布教の決意というものが伝わって来る作品でした。特に眼の光を描く白の効果…ラ・トゥールって上手いなぁ…と、当たり前のようなことを思いました(^^;。白の効果はCARAVAGGIOも得意とするところです。アトリビュートの鉾槍を持つ指の形がなんとも可愛らしく感じるのが不思議です。ちなみに、私はラ・トゥールの手の描き方が大好きです。
★『聖トマス』(油彩、カンヴァス、65×54cm) 東京(日)国立西洋美術館
『聖トマス』を2002年度の寄託作品として国立西洋美術館で観た時、やはりその手の描写に唸りました。画面は痛んでいますが、アトリビュートの槍を持ち武骨な太い手の甲の薄灰色には画家独特の筆使いを感じます。もちろん、首を傾げる構図による疑い深い聖トマスならではの眼差しが生きていますよね!おでこの皺や光にはもちろんCARAVAGGIOの影響を感じるのでした。しつこいでしょうか?スミマセン(汗)。槍の剣部分の描写も上手いですね~。聖トマスには何だかとても人間臭さを感じるのですが、「いかさま師」などで見られるラ・トゥールの戯画的才能の一旦を観るような気がしました。
この<キリストと十二使徒シリーズ>の他作品(模写作品含む)の写真も一緒に展示されており、シリーズの全容が把握できて嬉しかったです。決して理想化ではなく、庶民のなかに聖者を描いているこのシリーズ作品には、本当にCARAVAGGIOの影響の大きさを感じます。