山浦清美のお気楽トーク

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関電の家庭向け新料金制度について

2012-05-07 | 省エネ

 この夏から関西電力が家庭向けの新料金制度を導入するとのことです。これは昼間のピーク時間帯の電気料金単価を高くし、ピークカットを促すものとなります。その代わり、その他の時間帯では従来単価より低めに設定するものとなっているようです。これは既にオール電化で類似の料金体系があり、目新しいものではありません。

 「電力不足対策における電気料金のあり方について」で述べておりますが、この料金体系を実施するためには、これに対応する電力量計が必要となります。ですから短期間の内にこの料金制度を適用することは、事実上不可能であろうと疑問を呈しておりました。ところが関電が新料金制度を導入するとのことです。新聞の見出しを読んだ時には、「大英断か!」と感動しました。しかし、読み進むうちに落胆に変わってしまいました。

 新料金制度の対象を今までのオール電化住宅から全ての家庭に拡張するものの、加入は任意とのことです。詳細は計算してみなければなりませんが、ザックリいって単身や共働き家庭のように平日の昼間に不在の家庭にとっては電気代が安くなりますので、このような家庭は加入するメリットがあります。しかし、このような家庭ではそもそもピーク発生時には不在な訳ですからピークカットが期待できません。一方、この時間帯に在宅する家庭では、電気料金がアップする可能性がありますので、このようなメニューを選択することは少ないでしょう。事実関電自体も選択性のメニューなので、ものすごい数が入るということにはならないとの見方を示しているとのことです。

 新料金制度は、全ての家庭で実施してこそ本来の目的を達せられるのです。選択制では、有効に機能するとは思えません。しかし、全家庭に導入するためには、電力量計を交換する必要がありますので、これも短期間で実現することは不可能です。

 関電さんも、諸方面から袋叩きにあっているようですので、苦し紛れにこのような対策が出してきたようにも見受けられます。目前に迫った危機に対して、行政を含めて早急に対応策を打ち出す必要があります。そうでなければ、安心・安全な暮らしなど望むべくもありません。