眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

成長螺旋

2019-04-22 22:00:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
チョリソーが木っ端になって弾けてもつながるカリン塔の修練
(折句「チョコバット」短歌)
 
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歴史的一着

2019-04-21 22:23:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
張り込んだナッツの城に妙着をスタンバるアルキメデスの影
(折句「ハナミズキ」短歌)
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改行スプリング

2019-04-20 10:40:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
改行を数えたベンジャミンに春一番は恋しさ運び行く
(折句「鏡石」短歌)
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ささやかな改行

2019-04-19 10:03:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
即興の言葉がかけた改行とショートヘアは恋のサイクル
 
(折句「そこかしこ」短歌)
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マナティ・スケジュール

2019-04-19 03:18:36 | マナティ
「マナティ、今日の予定を頼むよ」
「午前中にカットの予約を入れる予定が入っています」
「入れなきゃ駄目かな」
「特にその必要はないようです」
「そうか。じゃあ明日に回してくれ」
「はい」
「色々と忙しいからね」
「では、そのように」
「よし! それは明日だ。マナティ、午後の予定はどうなっていたかな」
「午後は自転車の空気を入れる予定が入っています」
「そうか。忙しいな」
「空気入れの準備は整っています」
「それは安心だ。入れればいいんだな。他には?」
「洗濯物が溜まっているようです」
「そうか。もうそんなか。他は?」
「スーパーに行く予定が入っています。特売のお茶とどん兵衛さん。他には納豆もあるようです」
「そうか。隅々まで回ることになるな」
「少し調整しましょうか?」
「いや、まだ大丈夫だ。夜は?」
「夜は大統領がラーメンを持って通ります。そこで会談の予定が入っています」
「そうか。今日は忙しいな」
「予定は以上です」
「わかったよ。もう一眠りしてもいいかな」
「お好きにしてください」
「ありがとう。マナティ」
 
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なぜ

2019-04-19 02:54:06 | 川柳または俳句のようなもの
ポチよ
手を求めても
拒むのはなぜ

折句「ポテコ」
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裸族来襲

2019-04-19 02:15:51 | 夢追い

 この透明な仕切はなんて素敵だろう。僕はわかるような気がする。通り過ぎるものたちを眺めながら、時間が過ぎていく。自分の居場所はそれほど変わらないけれど、周りが絶えず動いていくことで時間の流れは感じられる。魚たちの気持ちが、わかるような気がする。まるで退屈というのとは、ちょっと違う。

「あんたが勝手に想像を膨らませただけだろう。立場が違うんだよ。魚たちは興味の的、でもあんたは眺めているだけだろうが。あんたは何もわかっちゃいないんだ」

 何だって。僕の想像を疑うなんて酷い奴だ。

 懐深く隠し入れたナイフを、取り出す。けれども、懐は想像以上に深い。取り出せない殺意の奥、見たことのない魚たちが泳いでいる。見たことのない色の、見たことのない仕草の、見たことのない尾鰭の、見たことのない鋭利な、見たことのない泡を吐きながら、戯れている。

 

「こんなところにもいたのか」

「何を言っているの? あなたが作った遊び場でしょ」よかったね、深すぎて、届かなくて、誰も傷つかなくて、すんだの。

「教えてあげるよ。私の本当においしいところ」

 

DHA  DHA ……

 

 彼らの悪ふざけは既に度を越したものになっていて、夜が深まったこともあり僕は近所への迷惑が気になっていた。僕自身も少し酔っていたし、その意味では普段できないような強気な態度、自分の意思を相手にストレートにぶつけることも多少ならできそうな顔つきに変わっていたのだと思う。少なくとも1番下っ端の奴に対してなら、そう弱気になる必要もないのだ。今まで1度も口にしたことのない呼び方だって、できる。

「おい、大吉」

 言いたいことは言おうと思った。けれども、自分が思うほど、声は出ていないようでもあった。僕は無理に唇を広げて、もう1度その名を口にした。

「前にここに来たのはいつだった?」

 大吉は、答えようともせず、ポテトチップスの袋の底の方をあさっている。

「いつ以来だっけ?」

 先月か、半年前か、それとも去年のことか……。もう、粉ほどしか底には残っていないというのに、まだ何度も指をつけては離すことを繰り返す。大吉は答えない。あるいは答えられないのかもしれない。

「おい、どーなんだー!」

 叫ぶのと同時に家の外で、クラクションが鳴り響いた。爆音がして、勢力が1ケ所に集中すると、重い武器を使用して車体を打ち砕いているような音が続く。モヒカン裸族の抗争が、この季節になるといつも激しくなる。女の悲鳴、犬の鳴き声、硝子が割れる、火の手が上がる……。よくないことがたくさん、外でたくさん、今、起きている。止める暇もなく、誰かが窓を開けていた。

 

「僕たち生きてますよー!」

「やめろ! 余計なことを言うな!」

 僕は急いで窓を閉めたけれど、面白がってまた別の奴が開けてしまう。

「見たぞ! おまえらみんな見たぞ!」

「馬鹿! 仕返しされたらどうするんだ?」

 ここは僕の家だぞ。けれども、酔ってすっかりおかしくなった奴らにはまともな理屈は何も通じない。その後も、挑発するような言葉はエスカレートして、更に酷いものへとなっていった。まるで映画のスクリーンに向かって、何か言っているような気分なのだ。自分たちは安全な場所にいて、我が身に害が振りかかることなど微塵も考えていないといった様子だ。完全にあきらめて、僕は目を閉じた。眠っている内に何もかも終わればいいと思いながら、じっと目を閉じている間にも、騒ぎは大きくなっていく。どちらかが完全に勝利するまで抗争は終わらない。

 破壊すべき物がなくなったのか、暴力的な音は小さく収まったかと思ったら、雄たけびが上がる。目撃者を消せと言う声がして、怒号は家の方に迫ってくる。ついに、こちらにも攻め入ってくるのだ。とても勝ち目はない。自分だけは助かろうと僕はこっそり秘密の押入れの中に隠れた。どかどかと乱暴な足取りで奴らは階段を上がってくる。押入れの奥には秘密の穴が開いていて、地上に下りられるようになっていた。仲間がやられている間に、脱出するのだ。冷たい企みに興奮を覚えながら板を外して、地上の様子を窺うとそこには何本もの剥き出しの脚が待ち受けているのだった。もう、手遅れだ。悟りと同時に全身が震え始めた。小さな呻き声は、あっけなく仲間がやられた証拠だった。しばらくして、肉の焼ける匂いがすると、嘔吐しそうになるのを必死で堪えた。押入れの中で小さく丸まりながら、自分の存在が無になることを祈った。

 

「兄さんも、どうです?」

 いつの間にか押入れの扉は開いていて、男が皿を差し出しながら言った。モヒカン裸族の仲間と誤解しているようだった。この肉を食べさえすれば、自分は助かるのでは……。食べるしかない、食べればいいんだ、食べよう。僕は皿に手を伸ばす。けれども、モヒカン族の手は、今度は僕のお腹辺りに触れていた。

「ん? 何だ? 何か着ているの?」

 皿を持ったまま、もう動けなくなった。仲間ではないとわかれば、もう食べる側ではないからだった。これで本当におしまいだ。自分だけ助かろうなんて、虫が良すぎたのだ。おい、大吉、やっぱりおまえが調子に乗るからじゃないか。まだ平和だった頃を、一瞬振り返った。

「おーい! まだ、1匹いたぜっ!」

 最後の獲物に止めを刺すため、仲間たちが集まってくる。

 

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遅延杓文字

2019-04-18 23:24:27 | ナノライト
みんなは釜の前に集まって
杓文字が届くのを待っている
 
種々のおかずに突き刺さったトングに
手を伸ばす者はいない
(飯がまずくなるから)
 
歌やゲームやパフォーマンスで
間をつなぐような雑念もアイデアもなく
みんなただそれを待ちわびている
 
「杓文字はいま岡山を出ました」
 
どこかでお腹の鳴る音がする
 
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不死身ドラゴンとチーパー勇者

2019-04-18 22:02:39 | 短歌/折句/あいうえお作文
言い訳の武装を解いて一歩踏み出したあなたは今日から勇者
 
誰とでも上手くつきあう訓練の一環に君くだらない君
 
スライムが見下ろしているチーパーな勇者苦心の百均装備
 
消えていく冒険心と静寂の先に佇む不死身ドラゴン
 
立ち直りかけた背ならば僕の手で押してあげるよ勇者よ「そーれ!」
 
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五平餅アクロスティック

2019-04-18 10:34:59 | アクロスティック・ライフ
腰のある麺を追いかけている内に
平成の世は終わりに近づいていた
犬ぞりおまわり戦隊が予定通りに突入する
「もぬけの殻か」
竹輪をくわえた隊長が鼻を鳴らした
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誤認逮捕 

2019-04-17 02:49:23 | 夢追い
緊急メッセージ
「遠い町のどこかであなたのIDを使いログインを試みた人がいます。それはあなたですか? もしもあなたである場合、このメッセージは無視してください。もしもあなたでない場合、直ちにパスワードを新しく……」
 煙草の自販機が赤く光った。
(しまった! IoTだ!)
 自転車にまたがったままメッセージを開いてしまった。今すぐこの場を離れなければ……。イオンタウンまで行けば、群衆に紛れ込める。サイレンの音が近づいてきた。踏切の向こうから猛スピードでパトカーがやってきた。一直線に僕の前に迫ってくる。駄目だ! 避けることはできず、自転車に乗ったまま横倒しになった。新しいサイレンの音。立て直す間もなく背後からパトカーがやってきて急停車した。容赦なし。傷んだ膝を気にかける間にも、横から徒歩警官が押し寄せる。すっかり囲まれてしまった。
「観念しろ!」
 最初に到着したパトカーから降りてきた警官が言った。
「3時間に渡ってつきまとったそうだな」
「……」
 その瞬間、僕は巻き込まれたことを悟った。(やばい)これは全くの別件だ。僕はただ自転車に乗ったままスマホのメッセージを読んだだけなのに……。(アリバイ、アリバイ、アリバイ)確かに証明できるアリバイがどこにも見当たらない。
「もう逃げられないからな!」
「違う。僕じゃない!」
「このストーカー野郎が!」
「それじゃない!」
 容疑の次元がまるで違うことが歯がゆかった。
「何だ? 余罪がいっぱいか。余罪ごろごろか」
「人違いです」
「今にわかるよ。この場ですべて明かしてやるからな」
「何もしてないし」
「何? お前の自転車か?」
「僕のです」
「いつからお前のなんだ?」
「ずっと前からです」
「ずっと? そんなわけないだろ。甘くみるなよ、お前……」
「盗んでないって」
「これは何だ? イヤホンか。ブルートゥース? ハリウッドか?」
「無線で聞ける奴です」
「無線だ? ちゃんと許可取ってんのか?」
「何がですか」
「これは? スマホか。iPhoneかアンドロイドか。どっちだ?」
「そうです。これですよ。これが僕の罪です」
 ようやく核心に向いた目をどうにか捕らえたかった。
「認めるんだな」
「でも、これだけです。この自転車とこのスマホを合わせて僕の罪はすべてです」
「はあ? そんなわけないだろう」
「ちゃんと調べてくださいよ」
「調べはついてるんだよ!」
 警官は倒れた自転車のタイヤを踏みつけながら言った。
「わらんない人だな」
 遠い町のどこかで僕の代わりに笑っている奴がいる。
 
 
 
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夢と努力

2019-04-17 01:01:24 | 短歌/折句/あいうえお作文
無から無を生み出す物語の中いつか実になる夢を見ていた
 
 
リフと玉葱を刻んだ指先はシェフ以前ギタリスト未満
 
 
届かない回し蹴りかもしれないが今はただ弧を描き続ける
 
 
爪を研ぐ音が聞こえるトンネルの奥に潜んだ3月の猫
 
 
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プロジェクションマッピング

2019-04-16 23:44:30 | 好きなことばかり
 
 ターミナルを行き交う幻想を見ていた。猿、クジラ、鴉、象、ワニ。激しく行き交っているのに、みんな不思議とぶつからない。蟻、カブトムシ、蟹、鶏、カナブン、鈴虫、河童。「何でもありなんだな」映像がリアルを呑み込んで、リアルが映像に溶け込んでいる。恐竜に踏みつぶされて、子鹿は一瞬凹むけれど、すぐにゾンビのように復活する。「流石に大きい」ターミナルはお祭り騒ぎ。カツ丼、クレープ、キリン、オーロラ、ヤドカリ、チャーハン、鰯雲、ハナミズキ。「僕もいていいの」何でもあるから、君も僕も許されていることができる。コーヒーカップ、オーロラ、つむじ風、ボールペン、シロイルカ、12月、ドラキュラ。「いていいの」砂時計、ドコモショップ、岸辺、トンネル、大蛇、トライアングル。「退屈と違うね」トビウオ、新郎新婦、サーモンマリネ、あべのルシアス、変ト長調。「世界観がきれいね」ハダカデバネズミ。「そう?」トナカイ、ドミノ、角換腰掛け銀、ゴールドマン、フローニンゲン、風立ちぬ、オオイヌノフグリ。人間。「あれは何?」人間?
「あっ! 人が来た!」
「逃げろ!」
 
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笑い仕草

2019-04-16 11:39:00 | 川柳または俳句のようなもの
チョコばかり食えば幸せワッハッハ
(折句「ちくわ」)
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尾の道の続き

2019-04-16 11:06:25 | 短歌/折句/あいうえお作文
金網に
かまわず進む
ミニマムを
生き抜く黒と
白の肉球
 
「鏡石」
 
 
感性の
ベニヤを歩く
連載は
タイムマシンが
進む道程
 
「かんべレタス」
 
 
あけくれる
12の月を
踏まえては
ライダーは行く
いずこへも行く
 
「アジフライ」
 
 
揃い踏む
小雀たちの
階段を
しっぽで荒らす
小太りの猫
 
「そこかしこ」
 
 
尾の道の続き(折句)
 
 
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