眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

きっと私じゃない

2021-06-29 10:55:00 | 短い話、短い歌
過度な期待は重たい
過大な評価は息苦しい

「せっかくですが……」

「十大だったら考え直していただけますか」

「いいえ、それでもやっぱり」

(日本五大ロッカーにあなたの名を)

 それは寝耳に水の話だった。他にもっと相応しい方がいくらでもいらっしゃる。私などまだ駆け出したばかり。少し目立ったくらいで勘違いすると酷い目にあう。いったい誰が私で納得するだろうか。私は次回作で壊れるかもしれない。壊れなければ開かれない風景もあるとするなら、輝かしい冠は足枷にもなる。今だけの名声が一生の財産に変わるとしても、私にはむしろ自由の方が必要だ。名もなきロッカーの魂を持ち、私はずっと燃えていたい。

「断ったんだって?」

「当然です」

「あなたにこの国は狭すぎるようね」

「そんなんじゃないですよ」

「いいえ、きっとその方がいいわ」


注目のホットチャートを抜け出して君が炙った五目チャーハン


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