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眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ずっと友だち

2020-04-05 10:36:00 | 忘れものがかり
突然何もなくなった
野球もない
サッカーもない
レースもファイトも何もない

こんなに何もないなんて
   (これは本当に現実なのか……)


ボールを蹴り出したのは
まだ小学生の翼くんだ

ドリブルばかりでどこへ行くの

純粋なほど他にすることはない
巧みなステップに翻弄されて
僕はボールウォッチャーになってしまう
   (長いつきあいになりそうだ)

4月の風がカーテンを揺らしても
優しい光が頬を射しても
桜並木になびくことはない

あの子をごらん

誰にも負けない執着心
不屈の意志と果てしない
夢がつづく

僕はずっとここにいて
二次元だけが動いている
   (これも素敵な現実の一つだ)


ありがとう先生
ありがとうみんな

漫画はずっと友だちだよ

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あなたのままに(お手本)

2020-04-04 21:20:00 | 忘れものがかり
あなたが歌う 僕が歌う
あなたが描く 僕が描く
あなたが踊る 僕が踊る
あなたが笑う 僕が笑う

ずっとあなたのあとを追いかけていた
あなたのようになりたかった

希望
憧れ
それはみんなあなたに等しかった

  生きる
   それはあなたをみることだった


あなたが家にひきこもっている
   (それが大事なことだって)

僕はあなたの仕草を引き継いだ



あなたが家にいる 僕も家にいる


ずっと遠くに(いつも近くに)

あなたがいるから


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探しものは何ですか/人間学習

2020-04-04 13:18:00 | 忘れものがかり
殴り書きをした詩の
最後の一行が思い出せない

辻褄が合うように
取り繕ってみるけれど
それは何かしっくりこない

おかしいな
もう
自分で自分がわからないなんて


老いることは他人事と思っていた
死ぬことはもっともっと
他人事と思っていた

私は老いた

「ああそういうことだった」
私はボロボロと涙を流した

私は死んだ

それからきみを
人間を 知った

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出たとこ勝負

2020-04-03 10:11:00 | 忘れものがかり
騒ぎ立てるなと騒ぐ奴がいる
もっと騒げと煽る奴がいる
みなさん冷静に
改めて呼びかける人がいる

もう僕ら
何を信じていいかわからない

(行きましょう)
そしてあの方の声を聞こう


「おーい、かみさまー!」

かみさまー
かみさまー かみさま、おーい!
あれ?


かみさまは外出中だ

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顔で好き

2020-04-01 03:23:00 | 忘れものがかり
冒険が詰まっている

話をきかなくても
わかる

友情がこぼれている
おかしみが満ちている

顔だけみれば
みんなわかる

確信に震えながら
僕は
「少年ジャンプ」をつかむ

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A案の消滅

2020-03-27 03:27:00 | 忘れものがかり
( )でいいですか?

「どちらでもいい」
そう言ったあと
あなたはB案も示し
通例ではB案であると言った
私はその見解に少しの異を唱えたが
結局のところ
B案にしましょうということになり
「わかりました」
と私は言った

オー! (A案)よ!


 「どちらでもいい」

ならば素早くA案を持って
私は立ち去ればよかった

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人間レンズ(君を通していつかのおばあさんを見ていた)

2020-03-12 23:57:00 | 忘れものがかり
「ブラックでよろしかったですか」
彼女は一瞬不安げな目をして僕を見た
「入れておいてください」(1つずつ)


その時、僕は
昔、住んでいた町のマクドナルドに
いつもいた店員のおばあさんのことを
思い出していた

「えーと、ブラックでよかった?」
そう言っていつも僕を誰かと間違えて
いつも謝っていた 「似てるんだよねー」
どこにでも似た人はいる


彼女は僕を通して
別の誰かのことを見ていた

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ひとっ走り

2020-03-10 05:41:00 | 忘れものがかり
25メートルの怪獣が
目の前に立った時

「背高いですね」
なんて言えなかった

背だけではない
一言で表すならば
彼はビッグ

かけ離れていて
ジェラシーさえも抱けない

「何か買ってきましょうか」
(コンビニにも入りづらいだろう)

「生茶を」

へー、意外と普通やん
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硝子越しの片想い

2020-03-04 04:59:00 | 忘れものがかり
あの子は
いつものように
店の前を通り過ぎて
看板の内を抜けて行く

その時
彼女は
絶対にこちらの方を見ない

いつも通る度に
僕は手を止めて見ているのに

あの硝子戸は
猫には壁なのか


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タトゥー・ナイト(無敵)

2020-02-27 23:47:00 | 忘れものがかり
生まれつき頬に龍を飼っている
そのせいで
家を借りられなかったり
好きな仕事に就けなかったり
入場を断られたり
随分と苦労することもあった

「かわいそう」
なんて言われたりもした
(かわいそう?)
それはあんたの勝手な感情だけど

今夜は誰もが
体に顔に好きにタトゥーを刻む
皆が突然 
自分に寄ってきているような気がする

誰も二度見しない 
人それぞれの頬にはもっと目立つ
ゾンビ、エイリアン、モンスター……
僕は風景の中に溶け込んでいる
(これが普通ってことなのかな)

今夜がもっともっと
夏休みくらい続けばいいのに

タトゥー・ナイトは一夜限り

明日の朝には
みんな素顔になって
元のところに帰って行く

街いっぱいに傷跡だけをつけて
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ばあちゃんの家

2020-02-26 04:55:00 | 忘れものがかり
僕の町にはデパートがなかった
だけど
ばあちゃんの家は
もっともっと田舎だ

もっとご飯が熱い
家が大きい
階段が急
星がいっぱい
サイダーが冷たい
泥棒がいない

だんだん行かなくなった
ばあちゃんの家

ばあちゃんがいた

そして 僕がいるんだね

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もうええわ(シンプル・ライフ)

2020-02-25 04:02:00 | 忘れものがかり
「もうええわ」
母はそう言って
特別な装飾をしなくなった

「もうええわ」
傘を閉じた。雨はまだ少し降っていたけど、構わないのだ。風呂に入ればいいのだから。じゃが芋を入れる手を止めてしまった。頂上までは行かず、適当なところで引き返した。群衆を見ただけでどこか満腹になる。何度も足を運び試みた説得をやめた。塗り残しがあったけれど、もう4月号がきたから。

「もうええわ」

ローソクは立たなくなった
プレゼントは届かなくなった

おはよう おやすみ おはよう おやすみ おはよう……

色が変わり始めたところで炒めるのをやめてしまう。少し芯のあるとこで煮込むことをやめた。レシピを呑み込む前にピアノの鍵盤の方に惹かれ始める。何度も同じところで間違えた。電話が鳴って音階が変わる。練習はそれっきり。7時のニュースです。食べかけのおかき、半分だけかじってティッシュの上。落ち葉掃除。ああ、降ってきた。

「もうええわ」(どうせなかった話よ)

サンタクロースはこなくなった
お祭りごとはなくなった
餅はつかれなくなった

伝統的形式に蓋をする。底から湧き出てくるような蟻の大群。リーダー格の蟻に説得を試みる。お前が悪い。人が悪い。押し問答では埒があかない。胴体だけでかくて頭なし。だるまは捨てて雪合戦。手袋一つが行方不明。いつからないの? なくした瞬間なんて覚えてない。寒い寒い。窓が半分閉まらない。大丈夫。大丈夫じゃない。凍っているんだ。シュガーはどこだ。ないならないで飲めなくもない。温かければそれでよい。炬燵の線がずっと抜けてるじゃないか。寒い? 寒くない。

「もうええわ」(いつかの思い出があるから)

おやすみ おはよう おやすみ おはよう おやすみ……
余計なことはしなくていい
ただシンプルに繰り返すのだ

「もうええわ」
母はそう言って
みかんを閉じた

おはよう おやすみ おはよう おやすみ 
さよなら……


しずかに年が明けていた

もうずっと前だろう

サトウの切り餅を手に取って

僕は昔話を思い出している
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何もしなくていい(あなたを待っている)

2020-02-11 19:18:00 | 忘れものがかり
 心身が疲れて、傷ついた時は、何もしなくていい。マンガも、マガジンも、小説も、コラムも、スキも、いいねも、おはようも、みんなしなくていい。頭から毛布を被って、世界にカーテンを引いて、みんな忘れて、眠り込んでいい。エンタメも、写真も、サウンドも、日記も、エッセイも、イラストも、ビジネスも、テクノロジーも、みんな置いて休んでいい。ごはんも作らなくていい。缶詰を開けて放り込め。お湯を注いで流し込め。元気がない時は、何も生み出さなくていい。詩も、ストーリーも、散文も、日記も、エッセイも、愛も、友情も、冒険も、芸術も、新手も、コントも、フォトも、漫才も、映像も、音楽も、おはようも、いいねも、みんなしなくていい。弱り切っている時は、心なんか開かなくていい。ドアも、パッケージも、ファイルも、ノートも、みんな閉じたままでいい。頭から毛布を被り、世界にカーテンを引いて、ずっと眠り込んでいい。疲れて傷ついた時には、何もしなくていい。少し元気になった時に始めればいい。それからでいい。僕はゆっくりあなたを待っている。


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独りになりたい夜もある

2020-01-03 02:31:00 | 忘れものがかり
部屋の中では
ずっと雨が降っている

天井に憎たらしい顔が浮かぶ
電気をつけても
窓を開けて空気を入れ換えても
なかなか消えない
目を閉じても
まだその辺に気配を感じる

ずっと雨が降っている
それはあいつの声だ

テレビをつけても
お気に入りの曲を再生しても
それは消えてくれない

「気になるのはその人のことを好きだから……」
 おいおい
 悪い冗談はやめてくれよ
 そりゃそういう場合もあるだろうけどさ
 そうじゃない場合の方が多いに決まってんだろ
 (思い出したくなんてないんだよ)



独りになりたい時
僕は
独りの部屋を飛び出して
フードコートへ

そこにいる
見知らぬ人たちに囲まれて
僕はようやく独りになれる

もう独り怯えることはない

背筋を伸ばして 僕は独りだと言おう
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野生の記憶

2020-01-02 10:31:00 | 忘れものがかり
猫の顔は
もう忘れてしまった

3日ペンをはなしたら
馬もライオンも
輪郭を見失った

だけど
ラーメンを思い出す

遺伝子に深く刻まれたものは
忘れないのだ
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