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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

思い出ダイバー 十(前編)

2014-10-02 08:47:05 | 日記
2009年の10月、私は父親となった。

深夜頃、妻が「お腹が痛い」と言い出した。予定日は二日後であったが、いつもと違う痛がり方に「陣痛」の二文字が脳裏に浮かんだ。

まずは病院に連絡した。当直の看護師が言うには「前駆陣痛だろう」とのこと。ただし、あまりにも痛かったら一度病院に来て、入院するか帰宅するかを判断しましょうとのことだった。病院は自宅から遠かったため、妻はいつも通院にはバスを利用していた。あいにく私たち夫婦は車を所持していない。

時計に目をやると深夜二時を過ぎた針が目に飛び込んでくる。妻は初産だ。何かあってからでは遅い。躊躇なんてしていられない私は、すぐさまタクシーを呼んだ。あらかじめタクシー会社に「こんな理由で電話することがあるよ」と伝えておいたため、5分ほどで「迎車」が自宅前まで来てくれた。

病院に着くと、当直の看護師は師長だった。妻が信頼しているベテランだ。この時点で妻の表情が少し柔らかくなったことが分かった。

少し狭い部屋のベットで横になった妻を、師長がエコーで腹を診察する。子宮口も診た結果「前駆陣痛」ということだった。これでは入院は出来ないらしい。仕方がないのでタクシーを呼んで帰ることにした。横には師長に診てもらったのがよかったのか、若干落着きを取り戻した妻が眠いけど眠れない状態で横になっていた。

出産予定日は10月8日だったと記憶している。しかし、この日は台風18号が日本に上陸する予定日でもあった。どうやら子供はこれから新米の親となる私たちに気を利かせて、台風上陸前に出てきてあげようと思っていたのかもしれない。

この日は妻の傍にいようと決めた。会社の人たちも「奥さんを大切に」ということで快く休暇を認めてくれた。ありがたかった。

昼前には、深夜の腹痛の比ではないらしい痛みがあったため、再度タクシーで病院に行った。途中で雨が降り出し、風も強くなってきており、台風が近づいてきていることが嫌でも実感できる。気圧の変化などで妊婦のおなかの「ハリ」が強く出ることがあるようだ。片頭痛持ちの人ならば分かっていただけるだろうか。

この日二度目の通院で、「入院しましょう」と師長から言われた。幸い個室が空いていたので、迷わずそこにしていただいた。

とりあえず妻の口に入れる食べ物と、二人が使用するサンダルなんかを調達する為に、駅前のスーパーに行ってみた。「これから私は父親になるんですよ!!」と「これから私はどうすればいいんですか??(父親の気構え的な意味で)」とを買い物客に叫びたい気持ちでいっぱいだった。

部屋に戻ると、妻の痛がり方が今まで以上に凄くなっていた。


続きは次回に。

(照)

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無理な話し

2014-10-01 11:22:19 | 日記
 固い信念に後押しされて厳しい人生に立ち向かって生きようとする人もいないことはない。しかし私をはじめ多くの人は自分に厳しい生き方を選択することがなかなかできない。厳しい生き方とはつまり「欲」を律する生き方である。

 あの服を着てみたい、美味しい物が食べたい、快適で広い家に住みたい。あれこれと膨れ上がる人の「欲」が文明を発達させて来た。強欲な人が多いほど文明の進化は早いのだろうか。化石燃料を燃やし始めた19世紀以降の文明の急激な進歩は、欲張りな人の急激な増加を意味しているに違いない。

 欲張りな人の「欲」を満たすためにはエネルギーがいる。世界中の欲張りたちの膨大な欲を満たすためのエネルギーもまた膨大である。膨大なエネルギーを作るためには金がいる。できるだけ安くたくさんエネルギーを作り出すことが出来れば、それは安くたくさん「欲」を満たすことに通じる。発展途上にある国々で石油より石炭が好まれるのはもちろんこのためだ。とりあえず穴を掘る技術さえあれば掘り起こせるため、掘り出しやすい所に埋まってさえいれば石炭はかなり安い資源である。

 ところが石炭は使えば使うほど大気を汚染する。当然、二酸化炭素も大量に排出する。ばい煙が霧のように町を白く覆っているかの国の状態をPM2.5のニュースで見た人も多かろう。あれは主に石炭を燃やしたばい煙が原因になっていると言われる。石油なら大気汚染物質の排出量はかなり減る。そのための技術はかなり整ってきている。しかし二酸化炭素の排出量は大きく変わらない。

 温暖化が原因で気候が変わり、今まで経験したことのない大雨や台風に見舞われている。世界では日本で起きている大雨とは逆に大干ばつに襲われている土地もある。

 人の欲を律しないとまずいことになりそうだ、とかなり以前から多くの人が気がついて声を上げてきた。しかし、それができる強い政治家は未だかつて現れていない。経済成長が止まるくらいなら大雨でも台風でも干ばつでも何でも来い、欲を満たすためなら何が起きても構わない、という選択を各国は行って来た。

 為政者の思慮が足りないわけでは無い。国民が大きな欲望を満たすことを望んでいるのである。時の為政者はその期待に応えて出来る限り誠実に政策を実行しているに過ぎない。

 その誠意が、必要なエネルギー生産の中で少しでも二酸化炭素排出量を減らす案を採用する道筋を作っている。それが原発の選択に繋がっている。

 世界のエネルギーはまだまだ足りない。現在の技術で廃炉のコストや燃料廃棄物の最終処分にかかるコストなどを考慮せず、事故のリスクに目をつぶって考えると原発は石炭や石油に比べて二酸化炭素排出量が少ない、今すぐ飛びついても安定して大容量の電力を期待できる唯一の選択肢なのである。

 欲に正直であれば、日本の原発再稼働を含め、世界の原発は今後も年々増加していくだろう。そうしているうちに、クリーンで安価なエネルギー源が開発され、しかも大気中の二酸化炭素を減少させる画期的な方式が開発されればいい。多くの学者や専門家はそう望んでいる。ただし残された時間は長くはない。そう彼らは言う。その通りなのだろう。だが一方でまだ世界が試していない道が無いわけではない。生きるために欲を律するという生き方だ。(三)


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