ノーベル化学賞の受賞が決まった根岸さんは75歳、鈴木さんは80歳である。これまでの経歴を新聞で読んでみるとお二人とも大変な努力家でしかも若いころから新しいことに挑戦する熱意が尋常でなかったようだ。しかも今もなおその心を失っていない。お二人のようなチャレンジする心はどうすれば次の世代に引き継いでいけるのだろうか。
この業界の状況を見ていると、先輩は後輩に対し非常に気を遣い、親切に接している。お客様に頼まれた仕事も大筋は先輩が噛み砕き、細かく咀嚼して後輩に渡しているようだ。大体においてそこまで細かく教えなくてもわかるだろうというほど細かく注意深く辛抱強く教えている。教え方が慣れてくると先輩の教え方はいよいよ細かく精密になる。お客様との対応も細かな雑用も先輩が気を遣い体を動かす。優しいのだ。
優しい先輩の下についた怠惰な若者は、1年経っても2年経っても入社時のまま、学生のような若々しさである。脳に負荷がかからないので脳が鍛えられるということがない。社会生活とはこんなに楽なのか、と錯覚してしまう。当然仕事はいつまでたっても面白くならない。ソフトウェア開発の仕事は、チームが思い描いた夢のようなイメージを苦労して実現して行くところに醍醐味がある。ところが面白いところは先輩がやってしまい、後輩はいつまでたっても柔らかく噛みやすいものしか口にできない。なんだソフトウェア開発なんてちっとも面白くないじゃないか、と思い始める。つまらないことをつまらないとも言わずこつこつと言いつけられたことをやって行くのが社会なのだと勘違いし始める。ひどい場合は、そんな後輩に対しても優しい先輩が「おまえはできる。すごい」などと褒めちぎって何とか奮起させようとするために自分がかなり仕事を覚えたと錯覚する者まで現れる。社会に出てわずか2~3年でベテランの域に達する仕事があるほうが不思議なのである。そのことに気が付いて欲しい。
中途採用の面接をすると、自分から進んで苦労を背負い込まなかった人、というのはなぜかすぐにわかる。仕事をさせればもっとすぐわかるかもしれない。非常に顕著なのが「概要」をうまく説明することができない、という共通点だ。細かい枝葉ばかり詳しく教えられてきたために幹が何か理解できない。かいつまんで要旨を説明できない。だから自分の後輩に細かな手順を伝えることができても全体の概要が語れない。実は彼らの先輩も優しさから細かく教えていたのではなく、細かくしか教えられないから細かく教えていたのかもしれない。彼らの書く設計書は悲惨だ。基本設計書も詳細設計書もみんなプログラム設計書になってしまっている。細かい内容を細かく書いているので、何をするシステムなのかさっぱりわからない。それを読んでレビューし、きっちり問題点を指摘できる技術を持っている先輩も少なくなってきているので、うやむやのまままともなドキュメントを書かずにプロジェクトが終わるケースもままある。だからほとんど訓練した経験を持たないで年月だけが過ぎ去ったという中堅技術者も多い。
もともとは、社会に出た出発点でチャレンジする心を持っていたかどうか、節目節目で初心に帰ることができたかどうか、ということではないかと思う。なんでわざわざ苦労する道を選ぶ必要があるんだ?と思った瞬間に、20年後30年後の苦労が始まるような気がしてならない。若い脳は若いうちから鍛えるべきなのだ。そして、本格的に脳を鍛えようと思ったら、それは他人にはできない。自分の脳は自分で鍛えるしかない。好奇心を持ち、挑戦してみることだ。高度な学習を行うと、より高度な学習に移って行くことができる。師になるような人はあちこちにいる。探し出して教えてもらいたいことを教えてほしいと頼むことだ。教えられないことは教えられないが教えられることなら教えてあげようという先達は多いのではなかろうか。自分から動いて学ぶ気持ちを持たないと結局今の優しい先輩の優しい砂漠をさまようだけで終わってしまうだろう。
後輩を持っている先輩たちは、後輩が少し自立して来たな、と感じたら少し固いものを食べさせてやるよう仕事のスタイルを変えるべきだろう。そのためには自分が学ばなければならないことがやがてわかってくるはずだ。要旨をとらえ、概要を説明する必要があるのだ。口頭で説明するだけでなく、資料にまとめなければならないかもしれない。後輩に自分の感じた仕事の面白さを引き継がなければならない。この仕事はこんなに面白い、ということを、チャレンジする精神が面白くさせてくれたのだということを、引き継いで行かなければならない。それこそ、もうひとつの面白さなのだろうと私は思っている。
monipet
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製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
この業界の状況を見ていると、先輩は後輩に対し非常に気を遣い、親切に接している。お客様に頼まれた仕事も大筋は先輩が噛み砕き、細かく咀嚼して後輩に渡しているようだ。大体においてそこまで細かく教えなくてもわかるだろうというほど細かく注意深く辛抱強く教えている。教え方が慣れてくると先輩の教え方はいよいよ細かく精密になる。お客様との対応も細かな雑用も先輩が気を遣い体を動かす。優しいのだ。
優しい先輩の下についた怠惰な若者は、1年経っても2年経っても入社時のまま、学生のような若々しさである。脳に負荷がかからないので脳が鍛えられるということがない。社会生活とはこんなに楽なのか、と錯覚してしまう。当然仕事はいつまでたっても面白くならない。ソフトウェア開発の仕事は、チームが思い描いた夢のようなイメージを苦労して実現して行くところに醍醐味がある。ところが面白いところは先輩がやってしまい、後輩はいつまでたっても柔らかく噛みやすいものしか口にできない。なんだソフトウェア開発なんてちっとも面白くないじゃないか、と思い始める。つまらないことをつまらないとも言わずこつこつと言いつけられたことをやって行くのが社会なのだと勘違いし始める。ひどい場合は、そんな後輩に対しても優しい先輩が「おまえはできる。すごい」などと褒めちぎって何とか奮起させようとするために自分がかなり仕事を覚えたと錯覚する者まで現れる。社会に出てわずか2~3年でベテランの域に達する仕事があるほうが不思議なのである。そのことに気が付いて欲しい。
中途採用の面接をすると、自分から進んで苦労を背負い込まなかった人、というのはなぜかすぐにわかる。仕事をさせればもっとすぐわかるかもしれない。非常に顕著なのが「概要」をうまく説明することができない、という共通点だ。細かい枝葉ばかり詳しく教えられてきたために幹が何か理解できない。かいつまんで要旨を説明できない。だから自分の後輩に細かな手順を伝えることができても全体の概要が語れない。実は彼らの先輩も優しさから細かく教えていたのではなく、細かくしか教えられないから細かく教えていたのかもしれない。彼らの書く設計書は悲惨だ。基本設計書も詳細設計書もみんなプログラム設計書になってしまっている。細かい内容を細かく書いているので、何をするシステムなのかさっぱりわからない。それを読んでレビューし、きっちり問題点を指摘できる技術を持っている先輩も少なくなってきているので、うやむやのまままともなドキュメントを書かずにプロジェクトが終わるケースもままある。だからほとんど訓練した経験を持たないで年月だけが過ぎ去ったという中堅技術者も多い。
もともとは、社会に出た出発点でチャレンジする心を持っていたかどうか、節目節目で初心に帰ることができたかどうか、ということではないかと思う。なんでわざわざ苦労する道を選ぶ必要があるんだ?と思った瞬間に、20年後30年後の苦労が始まるような気がしてならない。若い脳は若いうちから鍛えるべきなのだ。そして、本格的に脳を鍛えようと思ったら、それは他人にはできない。自分の脳は自分で鍛えるしかない。好奇心を持ち、挑戦してみることだ。高度な学習を行うと、より高度な学習に移って行くことができる。師になるような人はあちこちにいる。探し出して教えてもらいたいことを教えてほしいと頼むことだ。教えられないことは教えられないが教えられることなら教えてあげようという先達は多いのではなかろうか。自分から動いて学ぶ気持ちを持たないと結局今の優しい先輩の優しい砂漠をさまようだけで終わってしまうだろう。
後輩を持っている先輩たちは、後輩が少し自立して来たな、と感じたら少し固いものを食べさせてやるよう仕事のスタイルを変えるべきだろう。そのためには自分が学ばなければならないことがやがてわかってくるはずだ。要旨をとらえ、概要を説明する必要があるのだ。口頭で説明するだけでなく、資料にまとめなければならないかもしれない。後輩に自分の感じた仕事の面白さを引き継がなければならない。この仕事はこんなに面白い、ということを、チャレンジする精神が面白くさせてくれたのだということを、引き継いで行かなければならない。それこそ、もうひとつの面白さなのだろうと私は思っている。
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