goo blog サービス終了のお知らせ 

JSP_Blog

IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

DMIC

2012-11-29 10:34:27 | 日記
 そう遠くない昔、およそ70年ほど前には日本は朝鮮半島とその周辺の地域で大いに暴れまくっていた。尖閣だの竹島だの小さな島をめぐる微妙な駆け引きとはまったく趣向を別にするダイナミックな暴れ方である。当時の中国と言えば、今や台湾に追いやられてしまっている中華民国である。さらにほんの少しさかのぼれば清という中国最後の王朝の時代であった。この王朝の最後の皇帝である宣統帝を担ぎだして、清国皇帝一族が旗揚げした故郷の土地満州に独立国家を作ってしまった。中華民国とすればいい迷惑であるが、日本は当時アジア地域では圧倒的な武力を有するきかん坊だったため、顔色をうかがいながら文句を言うぐらいしか出来なかったのである。
 
 日本はきかん坊だったが、ただ満州の人々を搾取するために建国支援したわけではない。港湾施設の改良、鉄道、道路、上下水道など社会インフラの整備のために当時としては破格の財政的人的支援を行ったのである。ここに夢の国を作ろうという勢いがあった。どの国の人々も、今住む所とは別の所に夢の国を作ろうと言い出すと夢中になってそれに邁進するクセがあるようだ。アメリカ合衆国の成り立ちなどいい例かもしれない。理想的な国家を作ろうというスローガンは人を惹きつけて離さない。

 第二次世界大戦の後、1972年の日中国交正常化後も、まだまだ発展途上にあった中国に対し、これから世界を牽引する市場になると見越して日本は官も民も揃って中国経済発展のために力を尽くして来た。予想は的中した。しかし、拡大は予想以上で、手がつけられない大きさになってしまった、と感じていることだろう。夢はすでに醒めている。中国の次を早く探さないといけない。インフラの整備のような、日本人が得意とする世話を焼ける広大な未開の大地が広がる地域は、どこにあるのか。
 
 経済産業省が目をつけたのは、インドであった。インドといえば上に小さな二等辺三角形、下に大きな二等辺三角形をくっつけたちょうどソフトクリームのような形をした大地からなる巨大な人口を抱える国家である。この上側の二等辺三角形の左の斜面あたり一体に、世界的にも先進の技術の粋を集めた一大産業拠点を生み出そう、というプロジェクトが進んでいる。DMICと言う。「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」。インド政府主導のプロジェクトではあるが、90億ドルの支援枠のうち半分の45億ドルは日本がまかなう。日本の名だたる商社、重工業メーカーは揃って最新技術を利用したこの地域の事業展開を提案中である。一地域に集中してインフラ整備を中心にした経済的人的支援を実施しようとする状況はまさに満州国建国の昔を彷彿とさせる。確かに、うまくいけば面白いことになる、と期待は膨らむ。
 
 DMICは2006年の年末に日本側からインドに提案され、2007年、今や時の人と言っても過言ではない自民党の安倍さんが総理大臣だった時代に日印で大きくスタートを切ったプロジェクトである。過去の経緯を含め、このプロジェクトの前途が有望であることを宣伝するような発表を経済産業省が行ったのが衆院解散の翌週月曜日11月19日のことである。かの省には自民党大好きな方々が大勢いるのだな、ということがよく分かるタイミングの発表だ。
 
 おそらくDMICの成果が現れてくるには、これから10年以上の年月を必要とするだろう。すぐに結果が出ることではないが、地道にチャレンジして欲しい。この試みが、かつてのように戦争によって頓挫してしまわないよう注視して行きたいと思っている。(三)
 
monipet
  動物病院の犬猫の見守りをサポート
  病院を離れる夜間でも安心

ASSE/CORPA
  センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
  「できたらいいな」を「できる」に

OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
  短納期HEMS開発をサポート!

GuruPlug
  カードサイズ スマートサーバ

株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする