JJ1WKN Log

自作や移動運用関連のログです。

NoLand工法のすすめ

2009-12-17 | その他
ベタアース基板に部品を配置していく配線方法は色々あって、本邦では今井OMの「ランド式」や欧米では「マンハッタン工法("Manhattan" style PCB Construction)」が有名ですが、マイナーなところではリューターでお堀を掘ってランドにする「掘割方式」などがあります。
変わった所ではJR3KQFさんの「押しピン・ランド方式」でしょうか。

今回ご紹介するのは「NoLand方式(NoLand PCB Construction)」です。
掘割方式は手間がかかり過ぎますし、ランド方式でも、ランドを作るのと、基板に貼り付けるのに手間がかかります。
また、高周波回路では、微少ですが、ランドと基板の間で形成されるコンデンサの容量も気になりますし、貼り付けてあるので、ランドの位置を変更するのが大変です。

そこで、身近にある部品を利用してランドの代わりにしました。
沢山あって、安い部品といえば抵抗です。
100MΩくらいの抵抗があればそのまま使えますが、見かけたことがありません。
そこで、ジャンク箱に沢山ある普通の抵抗を利用します。
1/4サイズの抵抗であれば、値は問いません。
足の長さが短い200Ωの抵抗があったので、利用頻度が少ないと判断して、これを使いました。
左がランド代わりに使う改造後の抵抗、右が元の抵抗、下が切断する前のランドの元です。


抵抗の構造はご存知の通り、セラミックの棒の表面にカーボンを塗って両端に電極をつけたものです。
そこで、リューターやヤスリでこのカーボンを削ってあげれば、リードがしっかり付いた∞Ωの抵抗ができます。
削った抵抗のUPです。
テスターで測定してみましたが、20MΩレンジでオーバーしました。
ちなみで静電容量も測定しましたが、0.1pF程度で十分な性能です。


NoLand工法の実施例です。
VXOは水晶、L、Cが直列につながりますので、どうしても途中にランドが必要になります。
以前の基板が小さ過ぎたので大きい基板に引越し中ですが、このLの部分を「∞抵抗」で支えてあります。
右側のは、キャリア入力用の端子で、同軸ケーブルが繋がりますので、ある程度の強度が必要です。


ランド代わりの「∞抵抗」はリューターがあれば30秒もあれば改造できるので、皆さんいかがですか?
ちなみに大き目の抵抗を削ってコイルを巻くとFBな空芯コイルができます。