年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

原発ゼロ

2012-04-23 | フォトエッセイ&短歌

 現在国内で唯一稼動している原子力発電所は北海道電力の泊原子力発電所の3号機だけとなっている。この3号機も5月5日までに定期検査のために停止、「稼働原発ゼロ」のカウントダウンに入った。「原発ゼロ」を問う絶好の議論の契機であり、原発から撤退する千載一遇の機会でもある。
 福島第一原発の過酷事故は安全神話のまやかしを根底から暴き出しただけでなく、事故が起きた時の2世代にも渡る修復不能な事態を招くことを目の当たりに見せつけた。その事故は人間と社会を絶望的な闇の世界に追いやる人類史にも残る惨事であることを確認する必要がある。
 政権が「原発に依存しない社会を目指す」として「脱原発宣言」を行ったのは当然である。まず事故の徹底的な原因究明を詳細にして責任の所在と被害者に対する賠償を行い生活の再建を進めることだ。そして廃炉までの工程表を早急に示す事が必要である。
 しかし、「稼働原発ゼロ」のカウントダウンのなか莫大な利益を上げている原発利益共同体(原子力村)の反撃が活発になり、雲行きが怪しくなってきた。仙谷政調会長代行は「原発の停止は日本の集団自殺である」とまで言い切った。
  野田首相、枝野経産相、細野原発担当相、藤村官房長官は再稼働の安全基準をお手盛りで決定し「安全性が検証・確認されれば、定期検査後の再稼働」はあるとスタンスを変えだした。そして、関西電力から出された大飯原発の再稼働を認め、枝野経産相が西川福井県知事を訪れ再稼働の要請までしている。
 「大飯原発は安全」「原発は電源として必要」というのでは原発安全神話の第2章の幕開けとしか言いようがない。再稼働ありきの背信行為である。続いて、枝野経産大臣は「5月6日から一瞬、原発がゼロになる」という意味不明の日和見発言をして物議をかもしている。「原発ゼロになるが、すぐ再稼働」しますよとでも言いたいのか。
 原発NO!は今や広範な世論である。是非をめぐるの鬩ぎ合い、正念場でもある。どんなに防潮堤を高くしてみたところで、強固な免震棟を作ったところで、ウランの核分裂反応による原子力発電は「例えば事故が起きなかったとしても」放射性汚染廃棄物の処理が出来ないのである。原発はダメです!

<放射性物資の汚染は目に見えない。長い恐怖の時間が続く…>


  ゴミ箱の酒ビン数え医師一人仮設のドアに声掛けて入る
  
  我が街に原発ゼロのデモが行く店から顔出し驚き見ゆる
  
  原発の尚言いつのる安全を原子力ムラの産・官・学が
  
  原発は暮らしを支える産業とマイク奪って叫びいる男
  
  放射能内部被曝か母は問う生理遅れる娘を気遣う