年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

清明<3>スズカケノキ

2010-04-13 | フォトエッセイ&短歌
 サクラが終わるとプラタナスの新芽が大きく膨らんでくる。萌えるような若緑の芽はパット外気に触れれば掌を広げるようにグングン大きくなり新緑のもみじ葉となって陽を照り返す。この頃になるといがいがの玉となった蕾がぶら下がり、やがてうっすらとピンク色の花を咲かせる。落葉広葉樹。葉が散ると鈴をぶら下げている様が良くわかり「鈴懸」に納得する。
 花の状態が、楽器の鈴(すず)に似ていることから「鈴懸の木」と一般的に呼ばれている。
が由来の本来は、垂れ下がる実の姿が、山伏(やまぶし)が着る「篠懸(すずかけ)」についている房に似ていることからだという。そういえば、義経の都落ちに従う武蔵坊弁慶の篠懸は見事なものです。

<花はそのまま実となり冬を越す。膨らんだ若芽に越冬した実が下がっている>

 スズカケノキ(鈴掛の木、篠懸の木)は成長が早いため、街路樹や庭園樹として利用されてきた。枝が横に張る性質があるうえに、成長が早すぎるので、毎年、枝をバサバサと切り落として、幹だけに刈り込まれる。そのため近年では植栽が敬遠されているとか。幹の上部がコブコブになったものがよく見られるのはそのためである。
 「風」 プラタナスの枯れ葉舞う 冬の道で プラタナスの散る音に 振り返る
      帰ってお出でよと 振り返っても  そこにはただ風が 吹いているだけ
       人は誰も恋をした 切なさに 人は誰も耐え切れず 振り返る
      <1969年 北山 修 作詞>

<はしだのりひことシューベルツの「風」であるが、歌詞の感じではないな~> 

 日本では街路樹として、モミジバスズカケが多く使われているが本種(スズカケノキ)とアメリカスズカケノキ との雑種であるとか。原産地はヨーロッパ南東部からアジア西部で、日本への導入は明治年間とされる。新宿御苑のスズカケノキが日本の原木と聞いたが?

<やがて「鈴」も萌葱色の若葉に隠れてしまう事だろう>