年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

清明<4>競 演

2010-04-18 | フォトエッセイ&短歌
 桜前線が通過し春本番になるはずであるが、なかなか冬物コートが手放せない事態である。北からの寒気と南からの暖気が日本列島を境にせめぎ合っているのだ。今年は北の勢力が強く4月の「低温に関する全般気象情報」が14年ぶりに出るなど、関東一円にも雪が舞った。
 東京都心では1969年以来、41年ぶりの最も遅い降雪記録と並んだという。梅が発育不全で実にならないとか、茶葉の若芽が凍って変色したとか、農作物の雪や霜の被害がはっきりするのはこれからだ。
 すでにキャベツ、ネギ、キュウリ、コマツナなどの野菜の出荷が止まって高騰をはじめている。赤松広隆農林水産大臣は野菜の前倒し出荷と規格外野菜の出荷を農民に要請している。

<寒暖のせめぎ合いの間隙をぬって豪華絢爛に競演する花桃と桜の艶景>

 影響は思わぬ所にも出ている。3月中旬からの暖気の影響で桜は予想以上の早咲き、ところが開花した後の寒気の逆襲で「花咲じいさんのようにパッ」と満開にならない。花吹雪の機会を逸したのだ。
 結局、開花から花吹雪までの期間が延々と続き「桜長持ち最長」を各地で記録している。四国では19日間、横浜でも11日間「花見」が出来た。
 当然、この開花~満開期間の長引く傾向はサクラばかりではない。

<いつまでも瑞々しい色合いで寒暖の冬風・春風に揺れる真っ赤なハナモモ>

 冬物復活、異例の影響もある。コート・上着・毛布類が再び売れはじめ春物と並んで店頭を飾っている。「気温の低下が幸いしている。嬉しい誤算だ」と張り切っている高島屋の談をニュースが伝えている。景気浮揚の切り札になるかって……

<花一輪。威厳を感じさせる老木に若芽もすくすくと伸び始めている>