年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

アカシアの街-3

2007-06-08 | フォトエッセイ&短歌
你好<ニハオ>東北紀行
 大連市、中華人民共和国遼寧省の南部に位置する特別級市。改革開放政策のモデルとして1984年に経済技術開発区に指定され中国最大の石油輸入港として爆発的な経済成長を示している。日本企業(3200社以上)・韓国企業の進出が著しい。渋滞する幅100mもある道路の中をバスが車体全面にコテコテの広告を塗りたくって警笛を鳴らしながら割り込み割り込まれガンガンと動き回っている。今や道路1杯の自転車の洪水は過去のものである。

 1970(昭和45)年に清岡卓行は『アカシヤの大連』で芥川賞を受賞した。彼は大連で生まれ敗戦までを過ごす。大連という複雑な歴史の積み重なりと澄明な風土的な空間性のなかでその感受性を育んだという。大連をモチーフにした多くの作品がある。
 『アカシヤの大連』の冒頭はこんな書き出しではじまっている。
「かつての日本の植民地の中でおそらく最も美しい都会であったにちがいない大連を、もう一度見たいかと尋ねられたら、彼は長い間ためらったあとで、首を静かに横に振るだろう。見たくないのではない。見ることが不安なのである。…… 」


      

 快晴には恵まれなくて大陸の地平線まで続く青空を見ることはなかった、がどうも天候のせいばかりではなさそうだ。最近、指摘されている「排気ガス公害」によって都市の空はドンヨリとして夕方ともなると高層ビルはそのスモッグの中に姿を消している。STOP地球温暖化にとっても中国にとっても排気ガス規制は喫緊な重大な問題である。



 「小皇帝」:中国の「一人っ子政策」は徹底していて事実上2人の子供を持つことはできない。したがって「一人っ子」を一族挙げて育て上げる。溺愛・学歴何でもありの皇帝のような子育てとなる。「小さな皇帝」である。母親がビデオを構え父親が写真の舞台に娘を誘う。ロシア・日本統治時代の黄海に面した大リゾート地であった星海公園。イルカに乗る人形のモミュメントがまぶしい。