退官記念講演の会場に入ると、懐かしい諸氏そして教え子たちが集まっている。彼(先生というべきだが)はカラオケと同じようにマイクを握り、歌い疲れたような声で最終講義を始めた。相変わらず難しい数式や図表が並ぶが、画面のセンスがないことは昔通りだ。
「飲みたいから、ここは飛ばして」、聴講しているメンバーも時が過ぎるのを耐えている(笑)
講演が終わり、司会が「ご質問は」と問いかけると、ある男が「先生が講義中、生徒から質問を受けたと思いますが、最も印象に残った質問は」と聞いた。面白くない質問だ。関西の先生だからノリツッコミがないとダメだ。
すると先生は「質問なんてあったかなぁ。記憶にない」と肩透かし、だいたい彼は昔から人の質問を自分の都合のいいように解釈して、そして答えていたから、笑は出ない。
そして、次の質問「メサライトの比重は・・・」これも肩透かし、さらに「濾過機能・・・」と質問のための質問。彼は「わからん、やってみないとわからん」と答えた。
質問はそれだけで終わった。本の数秒沈黙の時間が過ぎたところで司会が、「源太郎さん。何かありますか」ときた。関東の場で関西のノリツッコミの質問をしたらまずい。首を横に振って「ない」とポーズした。私と彼の関係を熟知している関係者は爆笑ネタの質問を期待していただろうが、そこはぐっとこらえた。
祝賀会で挨拶に立った彼は「今日は私の生前葬。だからこれから何でもできる」何て言ったが、「だから、今日は香典をもらっておくよ」と続くと期待したが、彼も関東に来ると紳士気取りになっている。
教え子たちと話したが、皆さんリッパリなっている。「悪さを見せて教え子を導く」その、教育方針に脱帽だった。昔のマドンナ(今でも美しいが)と彼とゆっくり話せた。三人の娘たちは同じW大学の先輩後輩。マドンナの娘さんは現役、彼と源太郎の娘は一つ違い。「源太郎、結局俺の方がいつも上だな。俺は孫もいるしなぁ」、するとマドンナは「W女は男っ気がなくて」と助け船。三人で昔、富良野の委員会に行ったことがある。あの当時とマドンナは変わりなく美しいが、「お前もババアになったなぁ」と彼。「いやいや、今でも美しいですよ」と源太郎。「だから源太郎さんが一番」とマドンナ。生前葬の主役に初めて勝利した。
話はこのくらいにして、1973年に録音され、1974年に発売されたミルバのLPレコードを聴いている。真っ白なジャケットに白黒の写真。ちょっとレアもののレコード。
始まりは、UN UOMO, UNA DONNA(男と女)
Come stai?
Avevo freddo qui da sala..
E adesso come va?
Bene, adesso che sei qui!
ご機嫌いかが? 一人ぼっちの時、たまらなく寒かったわ。
で、今はどうなの? もう大丈夫よ、あなたがいるから。
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そして、NoemiさんのCD(2012)のCDもお薦めです。皆さん良い週末を。
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