経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

劉邦の徳

2009年01月12日 | Weblog
誤解されるところかも知れない。

間違ってはいけない。

暗いのを明るいと認めよ、とか、
熱湯を冷たいと感じるよ、といっているのではない。
暗い、明るいは、情報(こと)。
まずは、情報としてそのまま受け取り、
評価は、次、と申し上げている。

上り坂は、アクセル。下りはブレーキ。
つまり操作が変わってくるから、
上りか下り、素直に認識している。

それを、上りはいい。幸せだ。
下りは、あきませんわ、不幸せ、
といった考え方、言い方は
どう考えてもおかしいことだ。


著名なお坊さんが茹で湯に投げ込まれ、
「これ涼し」といったとさ。
だから俺も、「陽転思考だ」といって、指でも入れ
「これ冷たし」とやったのでは火傷する。
もっとも現実は、口先だけでやりはしないのだが・・・。

不景気、暗い、熱いという自分の認識はそのまま受容する。
これが情報(こと)の受け取り方である。
まず認めることだ、くどくどと申し上げている。

その上で検証する。
それを、項羽みたいに、「俺に反対したら斬首」と言っては
誰も反論しない。つまり多角的検証が出来ない。

多角的な検証しないと情報の確度、精度は低くなる。
とらわれがあると、情報を得たらすぐ、判定してしまう。

暗いから・・・・(ダメだ)。
不景気だから・・・・・・(ダメだ)、
小さいから・・・・・・(ダメだ)。

といったように、結論が先にでては、
その結論を裏打ちする情報しか入らなくなる。
劉邦もすぐ情報を判定し悩む。
くよくよする。

だが、項羽との根本的な違いは、
自分に自信がないから、実に人に聞く。
この人の聴く耳は凄い。
結果としてこのことが「多角的な検証」になり、
だれの話でも聞くことから、人材が集まる。
たとえば劉邦の左右、張良、韓信、
いずれも項羽の配下。
とりわけ張良の諫言は手厳しかった。

同じ時期、項羽にも彼に勝るとも劣らぬ
智謀の笵増がいて、彼も又、項羽に再三の
諫言をしているが、ほとんど無視された。
最後はそれが故に、項羽の怒りを買い、
失脚、流されている。

劉邦が項羽に勝(まさ)った、唯一、
1点は、聴く耳を持っていることだ、

他のあらゆる総ては、項羽が勝っていた。
聴く耳、広義で「人徳」。
これが、劉邦をして漢の高祖たる、
というのが、歴史の評価である。

歴史の風雪の晒しに耐え、残ったものは、
まさに玉石に勝る。学ぶことは多い。

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