経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

バランスを崩す意義

2010年09月01日 | Weblog
大黒屋、おぬしまた金蔵が増えたな、ふふふ」、
「かくいわれる、代官様こそ」

こうしたところへ出てくる輩は、商人ではない。

経済学でいう「等価交換」の状態というのは、
シーソーで左右に全く同じ体重のものが乗っかった状態で、
静止のまま、動きがない。

動くとはそもそもバランスを崩すことで生まれるもの。
それで商人が商品を先に渡すことで、自らの位置を低くする。
これでバランスを崩れ、お客を高き上がり、
高い位置のお客からお金と情報が下の自分たちに流れてくる。
これでバランスがとれ、またもとの状態に戻る、といったことだ。

なんとすごいすごい知惠、仕掛けなのかと、
私はこのことを思うたびに、驚嘆するのです。

それを、金をもらい、さらに高邁な態度を取る
これではまさに二重取りではありませんか。
しかも万有引力の法則に逆らっている。

これでは、永く続くはずがない、というのが私の確信です。
事実私の周辺を見回すだけでも、「奢る平家久しからず」は結構います。

生きることは、学び続けること。そして学びの本質は、学びあい。

その解は、自分が知らないことは、実にいっぱいある。
だからあなたが知っていることで私が知らないを教えて欲しい。
その代わり私はあなたの知らないことでお役に立ちたい、
という互恵思想の上にある、と思うのです。

わたしは一人では生きられない、といった前提を
強く意識して生きること。そこに互恵のそもそもがあり、
ムレや組織や社会が生まれる。
また個はそうした全体から学び、個々連携、さらに全体とこの連携
全体同士の連携、つながりを拡げることで、相互に進歩発展していく。

これだ、と私は思う。
だから尊大も、卑屈も、そうした考えから見れば、
おかしいのである。尊大な人はおかしげな人といえる。
だからそうした人たちや、そうした人たちの事業が、
やがてはおかしくなることは、なんらおかしくない。