生きることを学ぶためには

生きることを学ぶとすれば、まず信ずることから始めるべき、と思っている。
混沌とした人の歴史をみてみると、どの時代、どこの世界にしても、どれが事実か事実でないか、だれが真実で、誰が真実でないか。誰が是で、誰が非か、何一つ傍証のない中にあって、疑いを挟めばきりがなく一歩も進めないからである。

さらに「だまされた」というおびただしい後悔の叫びは、人が人を信じる、ということを基本に生きている、という証しであろう。

人の世界は昔も今もすべてが巨大な疑惑の固まりのように思える。だからこそ、ひたすら信じるということにより、歴史の歩を進めることができるのだと思う。
人は疑うと弱くなり、信じると強くなるものだから。