ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.7.27 旅行2日目、世界遺産ブダペスト、ホロック村観光の後は、ドナウ川ナイトクルーズへ

2019-07-28 05:21:58 | 

 熟年ツアーメンバーの皆さんは長旅でお疲れであるに違いないのに、朝エンジンがかかる時間は早い。朝食レストランでは私達が最後だったようで、既に食事をほぼ終えている方たちが殆どだった。
 ブッフェの朝食を済ませ、ベランダに出て写真撮影。早めに部屋を出てロビーに降りると、添乗員Nさんと今日のガイドさんが打ち合わせ中だ。
 出発の10分近く前にバスに乗り込んだが、既に殆どの方たちが準備OK。白いベンツの大型バスは添乗員さん、ガイドさんを含め総勢13名を乗せて5分前には出発した。

 ハンガリーはヨーロッパで唯一のアジア系民族・マジャール人の国。その歴史は侵略を繰り返され苦難に満ちているが、エキゾチックな民族音楽や刺繍などの伝統文化が受け継がれ、特産のトカイ貴腐ワインや郷土料理とともに旅情を誘う国である。
 ここブダペストは、中央ヨーロッパのまさに真ん中に位置するハンガリーの首都で、年間約270万人の観光客が訪れるヨーロッパ有数の観光都市だ。ドナウ川を挟んで西側がブダ(歴史の街)、東側がペスト(商業の街)に分かれており、川畔に佇む歴史的建造物が織りなす美しさから、「ドナウの真珠」「ドナウの女王」「ドナウの薔薇」等と呼ばれるほど美しい街。いつか一度訪れてみたいとは思っていたけれど、こうして実現したことがとても嬉しい。

 まずは昨夜積み残しになった観光スポットからスタートである。バスは市街を一望できる「ゲッレールトの丘」を目指す。
 ブダペスト市内の中心部に位置する標高235mの山は全体が公園になっていて、自由橋、ゲッレールト温泉、ホテルなどの施設がある。丘の頂上は展望スポットとしても人気で、ブダペストの街並みやドナウ川の景色を一望することが出来る。到着した途端、目の前に絵はがきのような景色が広がり、思わず感嘆の声が上がる。暑くなく寒くなく、適度に風があり、いい観光日よりである。外気温は26度。

 夜の時間帯はライトアップされた国会議事堂や鎖橋などの建築物が綺麗で、おすすめの夜景観賞スポットだというが、昨夜は飛行機の遅れでこうして朝一番に訪れることになった。
 ガイドのモニカさんはつくばや千葉に1年半暮らしたとのことで、とても綺麗な日本語を話す。ハンガリーの夏休みは6月15日から9月1日までだそうで、子どもたちの夏休みの過ごし方が働く親たちの悩みの種というのは日本と変わらないようだ。平均月収が18万フォリント(9万円相当)、子どものキャンプに1週間1万5千フォリント(7,500円相当)かかるというのはかなりの負担だという。どこの国も子育ては大変なことである。

 続いて、バスは王宮の丘へと向かい、2つの観光スポットを巡る。
 マーチャーシュ教会と漁夫の砦だ。見上げるととんでもない長い階段にちょっと気持ちが萎えるが、ここまで来て登れないとはいえない。ゆっくり1段ずつ踏みしめて上がる。
 教会は13世紀の半ばに建設されて以来、何度も増築を行い、内部のステンドグラスがとても美しいと有名だが、残念ながら時間の関係で外観を拝むに留まった。青空に色とりどりの屋根が映えて美しい。歴代王の戴冠式が行われた場所でもあり、ハンガリー人にとっても特別な意味を持つ場所だという。当初はゴシック様式で建設されたが、その後のオスマン帝国の支配でモスクに改装され、さらにバロック様式に改装するなど、複雑な歴史を経、700年に渡って変遷を繰り返したという教会内部のステンドグラスは是非見てみたかった。

 そして街の美化の一環として建造されたという美しい「漁夫の砦」。白亜の美しい7つの塔が並ぶ様は、まるでおとぎ話の中に入り込んでしまったかのよう。ハンガリー建国1000周年を記念して、マーチャーシュ教会を手掛けたフリジェシュ・シュレクのデザインにより建設された建物だそうだ。とんがり帽子のような形の塔は遊牧民だったマジャール人のテントを、7つの塔はマジャールの7部族を表しているという。
 ここからの景色も絶景だった。その後、刺繍やワイン等のショップに連れて行かれたけれど、目の保養に留め
めて身軽にお店を出てきた。

 歴史の街ブダ地域の観光はこれでおしまい。この頃から雲行きが怪しくなってくる。どうもお天気が変わりやすい。バスに乗り込むと雨がぽつぽつ落ちてくる。うーん、これからだというのに。

 続いて、商業の街ペスト地域で2つの観光スポットを巡る。
 英雄広場はハンガリーの建国1000周年を記念して作られた広場。アンドラーシ通りの一部として世界遺産にも登録され、広場の中央にある初代国王イシュトヴァーンの王冠と、大天使ガブリエルが乗った柱が威風堂々とそびえ立つ姿は圧巻だ。柱の周りを囲む台座には7人の部族長の騎馬像があり、左右に7体ずつ歴代ハンガリーの英雄の姿も見ることが出来、ハンガリーの歴史を感じられる。地元民の憩いの場としても親しまれているスポットだそうだ。今は観光客で溢れているが・・・。
 ここでいよいよ雨が強くなり、傘を差しながらの観光になる。足元が悪い。

 最後は聖イシュトヴァーン大聖堂へ。国会議事堂と並んで、高さ96mとブダペストでもっとも高い建築物であるという。気持ちの1ユーロの寄付をすると内部が拝見出来るということで、皆で中へ。
 内部はドームを中心した空間が素晴らしく、落ち着いた色遣いと細かい装飾にやさしい光が広がるデザインになっている。50年もの歳月をかけて建設された建物内では、“聖なる右手”と呼ばれる初代王・イシュトバーンの右手(ミイラ)が安置されており、私達が写真撮影するためにライトアップしてもらえた。右手!?・・・よく分からなかったけれど。364段の階段からは大聖堂のドームに登ることができ、そこからはブダペストを360度見渡すことが出来るといい、外から見上げると、確かに人影が。

 ここから昼食のレストランへ歩いて移動。1階がワインセラーで地下がレストランのメニューは名物グヤーシュである。パプリカパウダーで煮込んだ牛肉のスープで、ハンガリーの伝統的家庭料理のひとつだ。そしてメインはロールキャベツにパプリカ風味のザウアークラウトとニョッキが添えてある。パプリカの辛みペーストもテーブルの上に置かれており、とにかくパプリカオンパレードである。

 食事を済ませると、午後の観光へ。ここでひと組のご夫婦が、日本から予約したという国会議事堂散策のため夕食まで別行動されるという。ガイドさんも午前中でお仕事終了。9名でホロック村(Hollókő)散策へ向かう。

 バスに揺られながら眠くて眠くてたまらない。それでもなかなか眠れず。雨が打ち付ける中、車窓に広がる一面のひまわり畑に目を奪われる。途中土砂降りになり、これからの散策が心配になる。

 90kmを1時間半以上かけて到着。真っ黒なワタリガラスの像が村の入り口だ。外気温はどんどん下がり、17度になっている。ストールを巻き、薄いジャケットを羽織ってバスを降りた。
 ヨーロッパでは珍しい木造家屋の連なる小さな村は、木造のローマカトリック教会を中心に、パローツの村人が生活する58棟の保存家屋が立ち並んでいる。日本でいえば白川郷と称されるようだが、清里か、スウェーデンで旅したシグチューナか。とにかくおとぎ話の村の様だ。周辺の自然環境と共に伝統を守る美しい村は秀逸で、1997年に、村として初の世界文化遺産に登録されたという。希に伝統衣装に身を包んだ村の人を拝めるとのことだったが、残念ながら目撃することはなかった。

 1時間ちょっとの時間、雨の中散策を続ける。お店は個人経営が多く、こちらの通貨フォリントしか使えない模様。カードが使えるというお城に行ってみることに。これがかなりの高台で、ぬかるんだ道をハイキング状態だ。
 グループの大半の方たちは中に入らずに帰ってきたようだったが、せっかくなので私達は内部の散策もしてきた。全てハンガリー語で説明文は全くわからなかったけれど、13世紀の古いお城を一周することが出来た。頂上からは靄で下が全く見えないほどになり、幻想的だった。

 再びバスに乗り、ブタペストまで移動。途中雨が止んで、虹を見ることが出来た。いいことがあるかもしれないとにんまり。それでも眠くて眠くて。ようやく1時間ほど爆睡。

 ブダペストはすっかりお天気になっていて、道も乾いている。外気温は26度まで上がっている。時間調整に近くのスーパーを皆で見学した後、夕食レストランへ。ここで離れていたお二人が合流して、カクテルサラダにパプリカチキン(ニョッキ添え)とダークチェリーパイ。なんだか何を食べても同じ感じですね、というのが皆さんの感想。

 夕食後はチャーター船でドナウ川ナイトクルーズに。船に乗った途端、「美しき青きドナウ」のBGMが流れ、否応無しに気分を盛り上げてくれる。
 ドナウ川は、全長2860Km、ヨーロッパで2番目に長い川だ。ドイツにある上流からルーマニアの下流で黒海に流れ出るまでに、オーストリア、スロバキア、ハンガリーなど10の国々を通過する。ドナウ川流域には、メルク、ウィーン、パッサウ、ブタぺスト、リンツなど文化と歴史に満ちた街が多数あり、古城や修道院など歴史的建造物が立ち並ぶ沿岸は「美しき青きドナウ」そのものの風光明媚な景観広がり。

 ブタぺストのドナウ川クルーズは、夜の乗船が圧倒的に人気で「ドナウの真珠」と讃えられる美しい世界遺産の街並みを満喫出来るそうだ。19時半から1時間の予定だったが、10分ほど早く出航したものの、下船直前まで夕焼け程度。本当にヨーロッパの夏は日が長い。
 次々と異なる構造形式の橋が架けられており、中でもくさり橋(正式にはセーチェニー橋)は、最初の橋にして最も美しい橋といわれている。ライオン像が両端を見守り、長さ375m、幅16mで、両岸には一対の石造の塔門が配されている。夜のドナウ川クルーズでは、オレンジのライトでライトアップされ、この世のものとは思えないほど大変美しく、昼の顔とはひと味違ったロマンチックなブダペストの街を見ることが出来るという触れ込みだったけれど、残念ながらライトアップのナイトクルーズにはならなかった。

 予定より少し早めにホテルに戻ってくることが出来た。とにかく眠くてたまらない。明日は6時半モーニングコール、8時出発。早めに休まなくては。
 明日はレドニッツェ観光後、チェコ共和国の首都、プラハへ向かう。
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