ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.6.12 やっぱり双方に必要なのは・・・

2014-06-12 20:34:39 | 日記
 読売新聞のサイトでやっぱり・・・と思った記事を見つけたので、以下に転載させて頂く。

※  ※  ※(転載開始)

面接研修後の医師告知で、難治がん患者のうつ 軽く
 再発がんなど治療困難ながんの告知は、患者とのコミュニケーションの研修を受けた医師が行うと、がん患者のうつの程度が低かった、との研究結果を厚生労働省研究班が10日、米国臨床腫瘍学会誌電子版に発表した。
 医師向けのコミュニケーション研修の効果が、患者への大規模な調査で確認されたのは世界で初めて。
 研究は、2006~07年、国立がん研究センターの中堅医師30人を、研修を受けるグループ、受けないグループに分けて実施。各医師が受け持つ患者計601人に心理検査を行い、難治がん告知後のうつの程度などを数値化し比べた。
 研修は2日間。〈1〉ときどき沈黙し、相手が考える時間を設ける〈2〉「はい」「いいえ」の答えで終わる質問ではなく、自由な発言を引き出す問い方を心がける――などの面接技術を学ぶ。
 その結果、うつの程度を調べる心理検査(最高21点)で、未研修の医師が受け持った患者の平均は、受診を勧める基準(5点以上)を超える5.32点だったが、研修した医師の患者は4.59点と低かった。
 分析した国立精神・神経医療研究センターの藤森麻衣子・自殺予防総合対策センター室長は「コミュニケーション力は性格など個人の資質と思われがちだが、学習で向上する部分も大きい。研修を広めたい」と話す。
(2014年6月11日 読売新聞)

(転載終了)※  ※  ※

 人として日々社会生活を送っていく上で、“コミュニケーション”から全くフリーでいるわけにはいかない。だから、少しでも気持ち良く心穏やかに過ごすためには、コミュニケーション能力が高い方が良いに越したことはないだろう。
 けれど、先日、朝日新聞医療サイトのアピタルで長尾和宏先生の連載記事(6月10日:低下する医師のコミュニケーション能力)にあったように、実際には全ての医師がコミュニケーション能力に長けているわけではないというのも事実のようだ。もちろん、どの職業のどんな人でも資質面では同じことが言えるのだろうけれど。

 とにかく気の毒としか言いようがない、超がつくほど多忙な中で、一人一人に目一杯の時間をとっていたら、医師が先に潰れてしまう。けれど、きちんと学習し、研修することでその効果が出るということが判ったというのだから、研修を受けた医師も、受講した甲斐があるだろうし、それを聞いた患者サイドとしてもとても有難い、嬉しいことだ。

 幸運なことに、これまで私は、かつてお世話になった主治医、そして現在お世話になっている主治医から受けた告知が元で鬱状態になったことはない。いずれも丁寧に言葉を選びながら、かつ一方的に立て板に水のような説明をされることなく、十分に間を取りながら、こちらが発言出来るように誘導して頂いた、という記憶しかない。
 だから、一般に告知された時に良く言われるような、“頭の中が真っ白になって、何もわからなくなった、何も覚えていない”という経験はしていない(逆に、今でもその時のことを微細なまでリアルに覚えている。これって、あまり幸せな性格とは言えないけれど・・・。)。
 もちろん、告知される時は、良くない結果についてある程度(おそらく、こういうことかな・・・)と心の準備をしているけれど、そうはいっても、哀しいかな100%冷静でいられるわけではないから、普段通りの受け答えが出来るわけではない。けれど、その時に思った事を吐き出させて頂ければ、心の負担は随分小さくなるように思う。

 つまりは患者であれ、医療関係者であれ、双方がお互いの気持ちや立場を慮り、リスペクトすることが出来れば、コミュニケーションは必ずや上手くいくのではないか、と思う。
 そう、結局、人として生きている限り必要なのは、コミュニケーション能力なのだ、と改めて思う。
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