ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.10.11 今日も梯子・・・やっぱり切ない

2015-10-11 22:10:24 | 日記
 今日は朝一番で美容院を予約していた。肌寒く雨降りということで、薄いニットの上にレインコートを着込み、長傘で出かけた。1か月半ぶりのサロンは何やらメンバーがガラリと変わっていてびっくり。最近、人事異動がやけに激しく落ち着かない。フロントもアシスタントも見たことのない人ばかり。

 その後、夫と合流してバスで実家に向かう。簡単にランチを済ませ、母の退院祝いにハロウィンアレンジの花や実をたっぷり使った寄せ植え籠を選ぶ。綺麗にラッピングして頂き、メッセージカードも添えると一層素敵な贈り物になった。
 パジャマ姿で出てきた母は、昨日より心なしかお腹を庇う前傾姿勢が和らいでいるように見える。話をする声も小さくかすれていたのが、少しハリが出てきているように聞こえる。
 こうして一日一日、焦らずゆっくり元気になっていってほしいものである。お昼に配達されたお弁当もなんとか食べ終えた様子。病院食よりは美味しいとのことで、ほっとする。
 お茶を飲みながら話をしているうちに夕方に。外は青空が見えてお天気になりそうかと思うとまたはっきりしない曇り空に戻っている。明後日また来るからね、と言ってバスを乗り継いで今度は父の施設へ向かう。

 父の部屋に入ると、先週同様、一人ソファに座ってテレビもつけずにじっとしていた。2週間前の入所時にはとても綺麗だった花瓶の花もすっかり枯れてしまっている。母が昨日退院したことを報告し、まだ自分の身の回りのことをするにも助けがいる状態なので、もうしばらくここで頑張ってくれるように話すが、なかなか話が噛みあわない。
 どこまで分かっているのか、はぐらかしているのかイマイチよく分からない。自分が言いたいことを一方的に繰り返す感じで、合間々々に「すみませんねえ」と何度も言われると、詮無きこと、とため息が漏れてしまう。
 退院して自宅に戻った母の写真を見せたりしているうちに夕食の時間になる。歩行器を押しながら歩く父と食堂に向かい、同じテーブルの女性お2人とご挨拶する。話し相手が出来たから大丈夫とも言うけれど、食事の時以外の時間、一体何をして過ごしているのだろうと思うと、なんとも言葉にならない。
 今日は、先日夫が差し入れたお菓子を頂いて美味しかったと言っていたけれど、持っていった塗り絵をしているふうでもないし、雑誌を読んでいる感じでもない。檜のお風呂は気に入っているようだけれど、一人で外に散歩に行くことも叶わず、さぞかし長い一日を送っているのだろうと思う。所内で行われる俳句会に参加してみたけれど、つまらなかったそうだ。
 母が快復してくれるまではここで頑張ってもらうしかないのだが、それでも面会に行く度に、夫も私も口数が少なくなって帰りのバスに乗り込む。
 これから2人がますます歳を重ねていくにつれて、今の状況がうんと好転するということは期待出来ないだろう。頭では解っていても、なかなか気持ちがついていかない。
 明日がまだお休みで良かった・・・と思う面会梯子の日曜日の夜である。

 一つ嬉しかったのは、合唱コンクール地区大会で息子の所属する合唱団が去年に続き金賞を獲得したということ。残念ながら全国大会出場は逃したというが、充分立派なことである。明日の祝日は通常授業だというから、打ち上げで羽目を外し過ぎないように、と心配する母である。

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