「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

清流の斜里岳に登る

2010-08-11 12:24:24 | 道東の山々
                               (写真: 斜里町内から見た斜里岳)

8月9日(月)、知床に近い斜里岳(1547m)へ。

前日の夕方に仰ぎ見た山容は、雲を纏った威厳のある身構え。天気予報は曇りだったが、一夜明けた清里コースの登山口は見事に晴れた。

一の沢川沿いを歩くが、石を伝って右へ左へと渡渉を繰り返す。ふだん使わないリズム感とか敏捷性、バランス感覚が試される。

飛び石は面白いが、転ばないよう、登山靴を沈めないようにと気をつかう。

谷川が放つ清涼な気と、線香花火のように涼やかに咲くダイモンジソウ。心地よい緊張感とほっとする癒しのバランスが愉しい。


(写真:清流沿いに渡渉を繰り返す)


(写真:線香花火のようなダイモンジソウ)

45分ほどで、新道と旧道の分岐点、六合目の下二股に。沢歩きにも慣れてきたので、沢沿いに小滝が連続する旧道を選ぶ。

名前があるだけでも水蓮、羽衣、方丈、見晴、七重、竜神、霊華と七つの滝が連続していた。

急崖の巨岩や沢の岩盤を慎重に伝ったが、ロープや鎖もあるので恐怖心はなく、本当に面白かった。

水に入ることはないので、「沢登り」とは言えないが、水しぶきを皮膚に感じる沢の魅力の一端に触れることができた。



(写真: 羽衣の滝)


(写真: 慎重に岩を伝う)


(写真:左が霊華の滝、右が竜神の滝)


(写真: 霊華の滝 水しぶきを浴びて岩盤を歩く)

一時間半ほどで滝巡りが終り、新道との合流点の上二股に。

ここから、ぐんぐんと高度を上げて見晴らしが効くと、やがて稜線上の「馬の背」に出る。

隣の南斜里岳や遠くは阿寒の山々もくっきりと望む。

チシマワレモコソウが咲いていた。千島という名に北方に連なる響き。

馬の背から祠のある前峰を経て山頂へ。上二股からは一時間ほど。


(写真: チシマワレモコソウ)


(写真: 前峰から望む山頂 空の下はオホーツク海)



(写真: 山頂標識の背後に雌阿寒岳を望む)

山頂付近は雲がわき立っていた。阿寒方向は雲が切れて見晴らしを得たが、来た道の背景に構える周辺の山々が墨絵のよう。

山座の名がわからないのが残念。

楽しみにしていた知床半島の山々はガスに覆われいた。

山頂で仲良くなった人たちと談笑していると、知床半島の玄関口、海別岳が顔を出す。

最高峰の羅臼岳はベールの中。翌日に登る予定という人が5組もいたのには驚いた。

いずれも本州から来た岳人。北海道・知床の山々の人気の高さを知る。


(写真: 来た道と南斜里岳。背景に周辺の山々)


(写真: 知床の海別岳)

帰路は樹林帯を抜ける新道を降りる。

このコースで斜里岳のどっしりとした面構えが得ることができた。

青々とした夏山を満喫。


(写真: 新道の熊見峠から望む斜里岳)

■登山記録:2010年8月9日(月)
05時30分:清里コースから入山
06時15分:下二股 六合目 標高845m
06時40分:羽衣の滝
07時05分:方丈の滝 七合目 標高1020m
07時20分:見晴の滝
07時30分:霊華の滝、竜神の滝 八合目 標高1195m
07時50分:上二股
08時10分:九合目 標高1340m
08時20分:馬の背
08時45分:山頂 標高1547m  上り3時間15分

10時00分:下山開始~熊見峠
12時10分:下二股
13時00分:登山口に戻る    下り3時間

 きよさと温泉 清華荘 清里町の中心部にある清潔な公共温泉 380円

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