「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

新緑と残雪の高原沼めぐり

2010-07-03 11:12:12 | 表大雪

(写真: 高原沼登山口のヒグマ情報センター)


6月27日(日)、高原沼を巡ることにした。錦秋の見ごろに何度か歩いたが、雪解け時期に訪れるのは初めて。

ヒグマ情報センターでレクチャーを受けてからの入山。施設の中に入らないと、登山口に踏み出せない仕組みになっている。

去年の夏は、人がいても逃げないヒグマがいて1ケ月間も入山を禁止したという。その時のビデオを僕ひとりに見せての丁寧な説明。

現在、クマの姿はないが、食跡が出始めたころなので、油断しないで下さいとのことだった。

登山路に入ると、雪解け水が作った湿地が点々と続き、ミズバショウが遅い春を告げていた。

これはクマの大好物。


(写真: ミズバショウ)


奥に進むにつれて、登山路は消えて、残雪の上を進む。

赤いテープの目印が丁寧に付けられているので不安感はなく。

若々しい新緑。雪渓を頂く高根ケ原や緑岳の立ち姿。春と夏が一緒にやってきた清々しさ。

50分ほどで土俵沼に。ここから次々と森に浮かぶ沼が顔を出す。



(写真: 高根ケ原~白雲岳~緑岳)


(写真: 土俵沼)


(写真:滝見沼)


土俵沼、滝見沼と進むと、戻ってきた男性単独者と家族4人とすれ違う。

登山者名簿を見ていたので、ここから先の登山者は僕ひとりと理解する。

この先に、クマの監視レンジャー二人がいると聞いていたので不安感はなく、若葉と雪渓の織りなす妙にときめく限り。

大きく視界が開けると、緑沼。開けた厚い氷が水に浸り、薄っすらと青く輝く。



(写真: 緑沼)

この世のものとは思えぬ緑沼を背にして、テンポ良く湯の沼、鴨沼と進む。

鴨沼はほぼ結氷状態。木道を右に行くのか、左に行くのか。

高低差の小さい左の雪渓を行くも、頼みの赤いテープが見当たらない。


(写真: 湯の沼)


(写真: 鴨沼)

鴨沼左側の雪渓を登っていくと、雪が途切れて踏み跡が。そして大きな沼。

えぞ沼かと思ったが、沼の淵にあるはずの登山路が見当たらず、水浸し。

踏み跡は踏み跡でも、これは獣道。よく見ると、あちこちに獣道がついていた。

えぞ沼から見えるはずの緑岳も見えない。ルートミスは明らかで、慎重に来たルートを戻る。

あとで、ヒグマ情報センターのレンジャーに聞いたところ、この沼は「淵無し沼」という。

夏道がなく、行けるのはこの時期のみ。その名の通り、沼の周辺に歩ける淵がなかった。




(写真: 淵無し沼)

淵無し沼から鴨沼に戻り、そのまま帰路を進もうと思った。

が、鴨沼の木道起点手前に赤いテープを見つけた。

沼に向かって左側に登山路が続いていたのだ。

思い出した! 鴨沼は行き止まりで、その手前を左折するのだった。

帰ろうと思ったが、もうひと踏ん張りと、えぞ沼へ。森の中で沈むコバルトブルーがなんとも魅惑的だった。


(写真: えぞ沼)

ここから先、大学沼を経て高原沼が、この日の目標。夏道だったら、あと20分というところか。しかし、ルートミスで心身に疲れも。

判断力も落ちているので、えぞ沼を終点とした。

■登山記録  2010年6月27日
09時15分: ヒグマ情報センターから入山
10時05分: 土俵沼
10時45分: 鴨沼で迷う
11時10分: 鴨沼に戻る
11時20分: えぞ沼
12時40分: 登山口に戻る

■これまでの登山歴

10年6月27日 新緑と残雪の高原沼

06年9月30日 高原沼一周(紅葉ピーク)
05年9月25日 高原沼まで  (紅葉は遅れていた)
04年9月26日 高原沼まで  (紅葉は終盤)

高原温泉 
いつ入っても心地よい。露天風呂から眺める山々も素晴らしい。1500円ランチ付き入浴を
堪能。ヤマベ塩焼き、山菜、キノコ鍋と野趣満点。


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