1970年代後半から
1980年代前半ぐらいには
一億総中流と呼ばれるぐらい
戦後の廃墟の中からの貧しさは
克服することが出来ました。
「陰極まれば陽となる」と言われますが
まさに一億総中流になったぐらいから
モノを単に所有することから
「もっと上質なモノが欲しい」
「もっとお洒落でカッコいいモノが欲しい」
「人とは違うモノが欲しい」
「ブランド品が欲しい」・・・などの欲求が強まって来ました。
このぐらいに
田中康夫さんの小説である
「なんとなくクリスタル」も流行りましたね。
昭和30年代以降の
高度経済成長期に生まれ育った世代が
二十歳を越えて来て
戦後形成された消費文化が
変容してきた頃でした。
皆が中流と認識するがゆえに
高級品や安物
ブランド品やバッタ物
金持ちや貧乏人・・・などの
格差の意識が強まって来たのもこの頃でした。
1985年のプラザ合意という
急激な円高により
国内の土地投資にお金が流れ込み
バブル経済が始まりました。
株価も地価も急激に上昇して
株価は1990年
地価は1992年ぐらいまで
最高値を付けるまでに膨れ上がりました。
札束や高級品が飛び交う中
金持も貧乏人も
勝ち組も負け組も
精神が麻痺して来た人も増えて来ました。
そして1990年前半に
バブル経済は弾けました。
1993年の
「就職氷河期」と呼ばれる現象ぐらいから
バブル経済の崩壊が
明確になって来たような気がします。
1990年代半ばからは
金融機関の倒産も始まりました。
1995年の
阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件は
一気に世相を暗い方向に向かわせました。
1997年には
四大証券会社の一角であった
山一証券の経営破綻が起こり
「リストラ」と呼ばれる
解雇が常態化し始めました。
戦後培ってきた
「終身雇用制」も揺らぎ始め
ちょうど人口ボリュームゾーンである
団塊の世代が50代に入る頃でしたので
自殺者も急激に上昇し
年間3万人に増えたのもこの頃でした。
振り返ると
激動の変化の90年代でしたが
モノからココロへのシフトも
90年代から加速し始めたのではないでしょうか。
そして2000年代の
スピリチュアルブームを迎えます。