世界フィギュアスケート選手権2022、アイスダンス・フリーダンス(ジャッジスコア)。
<G1>
ソレーネ・マジンゲ/マルコ・イェフゲニ・ガイダイェンコ(エストニア) RD:63.97(20) FD:85.07(19) 総合:149.04(19)
「To Build A Home」♪ 紺、黒。最初から最後まで、一貫した世界観をシームレスに表現。滑りながら足をからめたり、ちょっとした動きでも拍手。ランジ姿勢の膝上に立つストレートラインリフト、肩に座らせて片足滑走のカーブリフトから太腿あたりをホールドするローテーショナルリフト。肘を曲げて顔の前まで持ち上げるコレオリフトなど、技術的にもしっかり見せた。
ホリー・ハリス/ジェイソン・チャン(オーストラリア) RD:64.91(19) FD:95.01(17) 総合:159.92(18)
「Ain’t Nobody (Loves Me Better) 」「I Feel for You」♪ 透け感のあるワインカラーでセパレート、ダークグレー。位置についたとき、男性の身体のラインが実はきれいなことに気づいた 肩に乗せてから前でホールドするステーショナリーリフト、女性の側からはタッチしない。ツイズルはわずかにずれたが安定している。背中に一瞬おんぶのカーブリフト、ペアスピンの回転が速い。曲がアップテンポになってノリのいいコレオステップ、ラストはローテーショナルリフト。
これからさらに伸びそうなカップル
サーシャ・フィアー/ジョージ・ワデル(イギリス) RD:66.69(18) FD:93.36(18) 総合:160.05(17)
チャイコフスキー「くるみ割り人形」♪ ワインカラーのローブデコルテ、黒。バレエらしさ満開 スピンやステーショナリーリフトで回転する女性のポジションがバレリーナそのもの。ツイズルも優雅に合わせ、肩上を回してから片足滑走の膝上に立つストレートラインリフトから、前で抱え込むローテ―ショナルリフト。ダイナミックに両膝で回転スライディングでフィニッシュ、女性がうん!とうなずいた
得点には本人たちより観客が残念そう
マリア・カザコワ/ゲオルギー・レヴィヤ(ジョージア) RD:66.76(17) FD:98.62(15) 総合:165.38(15)
「Dummy」「Texas Gypsy Massacre」「Mephisto's Lullaby」♪ 黒に緑。わりと直線的な動きを多用して、独特の世界観を醸し出す。膝をついた男性に女性が乗って下りる動きから始まり、男性が片手だけで女性の背中をホールドするステーショナリーリフト、鮮やか ツイズルの間には女性を一瞬肩に乗せる。女性のポジションをぴっぴっと変えるストレートラインリフトから、肩上に乗せるローテーショナルリフト。スピニングで女性のスプリットがきれい。
ラストは女性が男性の頭を抱えてコキコキと動かしてフィニッシュ
オレクサンドラ・ナザロワ/マクシム・ニキティン(ウクライナ) RD:67.70(16) FD: 総合:
棄権
<G2>
村元哉中/高橋大輔 RD:67.77(15) FD:96.48(16) 総合:164.25(16)
「ラ・バヤデール」♪ 赤、緑。「がんば!」「がんばれ!」の声が飛ぶ。氷に座った哉中ちゃんをさりげなく立ち上がらせる大ちゃんの仕草から、女性が男性のキャメルの背中に身体を預けるようなペアスピン。片足滑走のリフト、リンクを縦断していく大きなワンフットステップ。ステーショナリーリフトは膝上で回して肩に乗せて終わる。
ゆったりとダイアゴナルステップ、ツイズルをきれいにこなすと拍手。曲が変わってコレオステップ、軽やかに 手拍子で一体になる。コレオリフトもダイナミックになり、スライディングで交差して終わる。
素敵な、素敵なプログラム
(ジャッジスコアを見ると、ローテーショナルリフトがレベルB止まり、これが得点としては痛かった)
ティナ・ガラベディアン/シモン・プルー・セネカル(アルメニア) RD:68.50(14) FD:101.82(13) 総合:170.32(14)
「枯葉」「Luck Be a Lady」♪ ブルー系、黒スーツ。前半はしっとりと、キャメル姿勢でキャッチフットのペアスピンから。ワンフットがよく伸び、ツイズルも距離が出る。ムーディーなステーショナリーリフト、背中で回して前で抱えるストレートラインリフトからヒップをホールドして高く持ち上げるローテーショナルリフト。
かつてハヴィエル・フェルナンデスが使った軽快な曲でコレオステップ、たっぷりアピール スピード感のあるスライディングで締めくくった。
マージョリー・ラジョワ/ザカリー・ラガ(カナダ) RD:70.39(13) FD:108.45(10) 総合:178.84(11)
映画「ブルー 初めての空へ(Rio)」♪ 赤に青の羽、青に黄色。朝の鳥の声?の中、片腕片足だけホールドで片足で回るステーショナリーリフトから。サンバのリズムでノリノリのステップ、バトゥカーダ(パーカッション)でツイズル、スローになってイーグルで逆立ち姿勢のカーブリフト。さらにサンバで畳みかける、若さいっぱいのプログラム 踊りたい
ユリア・トゥルッキラ/マティアス・ヴェルスルイス(フィンランド) RD:71.88(12) FD:104.07(12) 総合:175.95(12)
「Wild Side」「Bruises」♪ ブルーグレー。前で横向きホールドのステーショナリーリフトから、そのまま肩の高さまで持っていくローテーショナルリフト。ツイズルは男性だわずかにふらついた。頭の上を越させてからのストレートラインリフト、足に絡むコレオリフト。
動きがとても洗練されていて、ただぼーっと見ていたい
ナタリー・タシュレロヴァ/フィリップ・タシュレル(チェコ) RD:72.55(11) FD:99.68(14) 総合:172.23(13)
「オブリビオン」「Primavera」「ブエノスアイレスの冬」アストル・ピアソラ♪ 黒。女性が後ろ手で回るコレオスピニングから。男性イーグルの前に立ち、そのまま前に抱えられるカーブリフト連続は大きなS字を描く。哀愁を帯びたメロディでワンフット、サーキュラーステップ。ツイズルで女性が少しミスしたか。
靴上に足を乗せるステーショナリーリフト、コレオステップでは情熱的にタンゴを見せる。ジュニア時代から随分成長を見せた
<G3>
アリソン・リード/サウリウス・アンブルレヴィシウス(リトアニア) RD:74.06(10) FD:106.15(11) 総合:180.21(10)
「Vinegar & Salt」「White Lies」「Lacrimosa」♪ 深緑、黒。大人のムード漂わせながら、いい感じの強さと速さのツイズル。イーグルの背中から前へのカーブリフト、片足滑走の前に立たせるリフトは少しシェイキーだったか。特別なポジションというわけではないが、ローテ―ショナルリフトは入り方と回転の速さで見せる。
ペアスピンの最後に女性の足を持ってそのままくぐらせるような振付が面白い。活き活きと自分たちの演技を通した トップに立って10位以内=2枠を確定
ケイトリン・ハワイエク/ジャン‐ルック・ベイカー(アメリカ) RD:76.56(9) FD:115.05(8) 総合:191.61(8)
ショパン「前奏曲ホ短調」「夜想曲第19番」♪ グレーがかった紫。静かにピアノにのって、大きくリンクを使うワンフット。ツイズルの間の振付が意表をつく。イーグルの片膝に立つカーブリフトから、反対側を向くカーブリフトの大きな軌跡。どの動きも柔らかく、視線のからみ、足をからませたコレオリフト、曲の中に溶け込んで、夢のようなプログラム
ローレンス・フォルニエ・ボードリー/ニコライ・ソレンセン(カナダ) RD:78.29(8) FD:110.25(9) 総合:188.54(9)
「グラディエーター」♪ 白、黒。前の組と対照的に、直線的でスピーディーな動き。肘を曲げてぎりぎりまで高く持ち上げたストレートラインリフトから、肩乗せからのローテーショナルリフト。コレオステップからそのまま男性の靴に手を置くステーショナリーリフト。コレオスピニングで女性の背中を抱えてるのがユニーク。
全体に力強く、この曲らしい
ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス) RD:78.89(7) FD:119.28(6) 総合:198.17(6)
「ライオン・キング」♪ ゴールド、黒とゴールド。みんなが知っている曲で、その曲の世界を完璧に再現する。女性が逆立ちで男性の足につかまるカーブリフト、ワンフットの最後はそろってシット姿勢のツイズル(スピン?)。手の動きも速いツイズル、抱え込んだ瞬間に片足で回るステーショナリーリフトから続けるローテーショナルリフトのアクロバティックな動き
クライマックスの歌とぴたりと合うスライディングに、さらに盛り上げるコレオリフト。シーズンベストが出た
オリヴィア・スマート/アドリアン・ディアス(スペイン) RD:79.40(6) FD:115.23(7) 総合:194.63(7)
「I Was Always There」/「マスク・オブ・ゾロ」♪ グリーン、黒シャツ。女性のポジションがすごくかっこいいステーショナリーリフトから、ぐいぐいとローテーショナルリフトへ。女性が股くぐりから入るツイズルもキレがよく、スライディングもカッコよかった。ワンフットの最後でほんの少し女性が早く終わってしまったり、コレオステップの途中で一瞬男性がぐらついたり、小さいミスはあったが、全体の質の高さが半端ない 観客もめっちゃ楽しんでいた。
2位につけて7位以内を確定、スペインの2枠獲得
<G4>
パイパー・ギルス/ポール・ポワリエ(カナダ) RD:80.79(5) FD:121.91(5) 総合:202.70(5)
「Long and Winding Road」♪ ピンクと赤紫とブルー。いったん大きく離れてから戻ってスピン、逆回転も。一瞬持ち上げて女性が足を打ち鳴らしたりとか、ちょっとした振付がいちいちステキ。ツイズルもなんともいえない味がある。イーグルに片足立ちから次々ポジションを変えるカーブリフト連続。
つらい日々から次第に幸せを感じていくような、どんどん笑顔になっていくような
シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア) RD:84.22(4) FD:125.70(4) 総合:209.92(4)
「Atonement 」「Little Sparrow」♪ 水色、ベージュシャツにサスペンダー。ペアスピンで男性の美しいキャメルポジションに拍手が起こる。ツイズルきっちり、後ろ手から抱えて片足になるステーショナリーリフトからローテーショナルリフトに繋げる。ワンフットはスピード感があり、イーグルの前に立つカーブリフトの迫力あるポジション。
技術的なことより、物語の世界を完璧に表現した、今季の全てをつぎ込んだ作品として素晴らしい
マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ) RD:87.51(3) FD:129.32(3) 総合:216.83
「Contact」「Touch」「Within」「Touch」ダフト・パンク♪ ブルーグレー、濃紺。こちらはSF的な、、、イーグルで女性が立つのではなく、男性がしっかり持ち上げているリフト。ツイズルの回転軸が細い! 持ち上げて肩を跨ぎ越させてから低いところで抱えるスライディング スピンの出のちょっとした工夫とか、ダイナミックだけど繊細で、難しいのに簡単そうで、、、
毎年成長し続けている そしてメダル確定に頷くコーチ。
マディソン・ハベル/ザカリー・ドナヒュー(アメリカ) RD:89.72(2) FD:132.67(2) 総合:222.39(2)
「Drowning」♪ 薄紫、紺。競技として最後の演技に臨む。自然なスピン、一瞬頭上まで肘を曲げて持ち上げるストレートラインリフトから肩乗せのローテーショナルリフト。ただボーカルとリズムとスケートに酔いしれる。
背中でポジションを変えていくカーブリフト、ツイズルを見ながら「これが最後なのか、、、」と思う。男性の首に女性が両手をかけてぐるぐる回るコレオリフトで締めくくった。
本当に素晴らしいアイスダンスカップルになって シーズンベストでキャリアを終える
ガブリエラ・パパダキス/ギョーム・シゼロン(フランス) RD:92.73(1) FD:137.09(1) 総合:229.82(1)
フォーレ「エレジー」♪ オフホワイトにゴールドストーン、茶にゴールドストーン。今大会の最後を飾るスターの登場。複雑な腕の動きが何かを訴えかける。イーグルのリフトで女性のポジション一つ一つが一幅の絵のよう。全ての動きに意味があり、全く無駄な動きがない。ツイズルの美しさ、飛び乗るようにして抱え込まれて低い姿勢になるカーブリフト、どれもこれも そしてスピード!空を飛んでいるよう、、、
自国の観客の前で、シーズン最高の演技を披露できる喜び、それを見られる喜び、喜びに満ちた瞬間
結果、優勝はパパダキス/シゼロン、2位ハベル/ドナヒュー、3位チョック/ベイツと、リズムダンスと同じ順位になった。4位ギニャール/ファブリ、5位ギルス/ポワリエ、6位フィアー/ギブソン、7位スマート/ディアス、8位ハワイエク/ベイカー、9位フォルニエ・ボードリー/ソレンセン、10位リード/アンブルレヴィシウス。
村元哉中/高橋大輔は16位。
来季枠は、フランス・アメリカが3枠、イタリア・カナダ・イギリス・スペイン・リトアニアが2枠。カナダは枠を減らした。
表彰式で、パパダキスの手のアップが見えたら、ネイルが水色と黄色のウクライナ国旗カラー。式のあと、棄権したナザロワ/ニキティン組がリンクサイドに来ていて、選手たちとハグしていた。
来年、今ここにいない国の選手たちも、いつもどおりに参加できることを願って
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