AKB48の旅

AKB48の旅

SMAPxSMAP5月27日の板野△

2013年05月29日 | AKB
短い時間だったけど、興味深いトークがあったんで。中居さんの「あれ、板野さん、解雇?なん、解雇だっけ?」というフリに対して、板野さんが笑いながら「やめてください。違います。普通に、あの、嬉しい方の卒業です。」と返し、さらに中居さんの「どういうこと?嬉しい方って?何で卒業するの?」という問いに対して、板野さんは「時が来たからです。」と、明快に答えてた。

これが台本でなければ、そして受け答えから見て板野さんの素の言葉として発せられてたんだと思うけど、やはり超選抜メンバーには、意識的かどうかはともかく、共同体意識があるんだなというのが分かる、そんな好例になってると思う。

今回の板野さんの場合は、ちょっと分かりずらさがあるようにも思うけど、わかりやすさで言うなら、前田さんの例になるだろう(既述)。人気絶頂のタイミングで卒業を発表したSSAは、ご本人にとっては、ずっと待たされた上での、ようやくの宣言だったんだろうけど、リアルタイムの視点では、あり得ないタイミングにしか見えなかったし、それは私の勝手な考えとかではなく、大島さんの表情や言動だけでも明らかだった。実際、卒業後の前田さんが置かれた状況は、大きくマイナスに振れたかのように見えた。

けれども、あれが前田さん自身ではなくて、AKBの利得が、中長期的に見て最大化するタイミングでの卒業だったことに気づけるかどうかで、前田さんの卒業の動機が見えてくるし、自分自身にとってはマイナスでも、AKBにとってプラスであるなら、迷うことなくそちらを選択する、正にAKB共同体の一員としての決断だったことが分かると思う。

板野さんも、まったく同じだと思う。現状、板野さんが卒業したとして、板野さんにとっての利得が最大になるとは限らない。AKBという大看板がなくなることの不安の方が大きいはず。けれども、AKB第二章を宣言し、世代交代を進めるAKBにとってみれば、上位メンバーが卒業する、その席が空くというのは、下位メンバーにしてみれば間違いなくチャンスだし、新陳代謝が進むというだけでも、少なくともマイナスにはならない。

「さよならクロール」が、歴代最高の初動売り上げと言っても、これが選抜総選挙の投票権付きの上の、さらには劇場盤ドーピングによるものなのは、今更言うまでもないわけで、前田さんの卒業後、少なくとも短期的にAKBが下降線にあるのは、誰の目にも明らかだろうと思う。そんな前田AKB以後、次へと進まなければならないAKBにとっての、利得を最大化にする手段は、カタストロフを回避しつつ動的平衡を維持し続けること、つまりは秩序だった世代交代ということであり、見方を変えるなら、それは「襲名」概念に近いかも知れない。

現状の主力メンバーの中で、はがれ落ちる一人を選ぶとしたら、それは板野さん以外にはない。大島さん、高橋さんは、どちらが欠けてもAKBではなくなる、つまりはカタストロフへの方向性が臭ってきてしまう。篠田さん、小嶋さんは、次の順番待ちということになるんだろうけど、現状でやめるとなると、AKBにとってのマイナス面が計り知れない。板野さん自身が、自分の立ち位置を認識し、卒業という選択を選んだのは、「潔い」という言葉で賞賛されるべき在り方だろうし、「分を知る」ということでもあるだろう。

正に今回の言葉通り、「時が来た」ということに尽きると思う。