AKB48の旅

AKB48の旅

NHKEテレ「高校講座日本史」第3回「大和王権と古墳時代」

2014年05月11日 | AKB
通説に忠実な内容だったと言って良いと思うけど、とりわけ一点、「異様」とも思える部分があった。それは、何度か登場した古墳の分布を示す地図。現在の国境を強く意識したとしか考えられないものになっていた。確かに国境というものは、意識的であれ無意識であれ、現代人に深く染みついてるものではあるけど、であればこそ、歴史教育を通して、そんな「常識」は崩して行くべきものなんじゃないか。

この古墳の分布地図を作った人が何を思ってなのかは分からないけど、前方後円墳が朝鮮半島にも存在するという事実を、認めないかのような内容になっていた。

地図自体には、朝鮮半島がしっかり描かれてた。けれどもそこは、現在の日本の範囲とは色分けされてて、意図的なのかどうかはともかく、敢えて言うなら、あたかもそこが存在しないかのようだった、もしくは「腫れ物」扱いであるかのようだった。まあ、ぶっちゃけ確かに腫れ物なんだろうけどね。

これだと、全羅道に存在する前方後円墳は隠蔽されることになる。もしかしてこういう行為を「配慮」とか考えてるのかも知れないけど、これって考古学的事実に反してるわけで、学問という立場からは、決して許容されるものではない。歴史学でも問題なのに、考古学に政治が介入するというのは、万難を排して阻止されなければならないこと。この番組を監修してる学者?は、何を考えてるんだろう。

高句麗を「こうくり」、百済を「くだら」、新羅を「しらぎ」と読んでいたのは、まあ当たり前なんだけど、高校の歴史教科書をちゃんとフォローしてないんで間違ってるかも知れないけど、これも一時期、「コグリョ」「ペクチェ」「シルラ」だったらしいんで、歴史教科書の「汚染」は深刻だったことになる。「伽耶諸国」は、まあやむを得ないか。

あんまり眉をひそめるようなことばかり書くのも何だし、本ブログの趣旨に戻ると、込山さんが、実際に稲荷山古墳に登るというのは素晴らしかった。込山さんは常にニコニコしてるのは良いんだけど、リアクションをけっこう外してる感じで、お勉強としての歴史を分かってるようには見えないところが、うーんどうなんだろう。