ヒュースタ日誌

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「第19回青少年支援セミナー」2日目の報告

2013年03月28日 11時06分19秒 | ホーププロジェクト
 当スタジオ伝統の標記イベント。今回は横浜・桜木町の紅葉坂を舞台に「講座」と「シンポジウム」の2日間の日程を消化しました。

 きょうは2日目の報告です。

 前日だけの1日参加の申し込みだったのを両日参加に変更された方や当日申し込みの方を含め、この日の参加者は想定内の35名でした。

 会場にはパネラーに関連する資料を閲覧または入手できる「資料コーナー」と、今回の趣旨に関連する団体の案内資料を入手するだけでなく代表者に質問もできる「団体紹介コーナー」が配置され、支援などの情報入手にも役立つレイアウトとしました。

 最初のプログラムは、毎回恒例の代表講演。講師の丸山は、去年のノーベル賞や先日のワールドベースボールクラシックの話題に絡めて「異能」という用語をなぞらえた造語「異生」という言葉をキーワードに、各界の「異能の人」の生き方が不登校・ひきこもりからの生き方の参考になることを説明しました。

 まず、数年前のノーベル賞受賞者と二十世紀梨を初めて栽培した人の、人が無視することに着目して成功した生き方から、人が無視することにこだわる不登校・ひきこもりの人々が豊かな人生を送れる可能性を主張。

 続いて、プロ野球のイチローこと鈴木一朗選手のバッティングフォームの変遷から、不登校・ひきこもり状態のままでできること、やりたいことを実行することを「自律力を発揮する」と表現し、それを積み重ねて初めてその先の広い世界に適応できる(=適応力が発揮できる)ようになるのであって、一般的な支援は最初から適応力を発揮させようとするからうまくいかないのだ、と主張しました。

 次のプログラムは、前回初めて採用して好評を博した、(元)当事者4名によるパネルトーク。
 今回は「当事者トーク」と銘打ち、タイプの違う各人の生き方を中心に語るスタイルとするため、前半を「体験トーク」として「不登校編」「ひきこもり編」に分かれてふたりずつ語り、後半を「今後トーク」として全員で支援や社会の課題、そして自らの将来像を語り合いました。

 4人全員で支援団体批判や社会批判を含め縦横に語り合って盛り上がった前回と比べると面白味に欠けた一方、社会ががいかにかつてと変貌しているか、自分の生き方を将来にわたって貫くことがいかに難しいか、など現実的な発言が多く、当事者が置かれた困難な状況が浮き彫りになった、地に足の着いた内容のトークとなりました。

 さらに、最後には3団体の代表者による自己紹介「関係団体紹介」を通じて状況打開を模索する動きが始まっていることも伝えられ、理想論にも悲観論にも偏らないありのままの現在を理解する1日になったのではないかと思われます。

 2日間ご参加いただいた延べ64人の参加者の皆様、講師・パネリスト・関係団体の皆様の多大なるご協力に、心からお礼申し上げます。

 次回は1年後の来年3月を予定しております。当スタジオ単独開催だった今回までの19回の反省を踏まえ、他団体との共催などさらなる発展をめざして再検討していきます。どうぞお楽しみにお待ちください。


※「団体紹介コーナー」参加団体(☆印は最後の「関係団体紹介」で自己紹介)

NPO法人「コス援護会」

NPO法人「アート・ビーンズ・ファクトリー」

☆一般社団法人「COYOTE」

☆当事者会「STEP」

☆支援団体「湘南ユースファクトリー」(新年度に団体として正式に設立予定のため公式サイトなし)

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