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自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

ソリューション、コンテンツ提供業の未来は?

2011年10月27日 | ニューパラダイム人間学

私は専門家のはしくれですが、専門性をどのようなメディアを介して提供するのかという手段・方法については人それぞれです。

以前は雇用されて組織を通してソリューション、コンテンツを提供していましたが、自分ならではのソリューション、コンテンツをある程度確立できたので、独立・創業して自分の会社を持つようになりました。

その会社をリーマンショックの直前に上場企業に運よく?売却(これをイグジットするといいます)しました。個人に属人的に帰属するソリューション、コンテンツではなく、経営者としての「私」から分離された事業インフラを売却したことになります。

で、自分で設立した会社=インフラをマイ・カンパニーから、アウア・カンパニー、ユア・カンパニーというように変えて、カンパニーから自由になって自分に残ったものはソリューション、コンテンツとそれらを生み出す「形態形成場」です。素朴な額のキャピタルゲインもありますが、まあこれは横に置いておきます。

現在、ソリューション、コンテンツを提供することを業として、いろんな「インフラ」にそれらを提供しています。自分が経営する会社=自分のインフラを離れてから、実に多様な外部のインフラ=組織と交流が生まれたのは、運がいいというか、不思議といえば不思議です。

大学、大学院、外資系企業、日本企業、医療機関、政府系機関、職能団体、教育関連団体、出版社、ウェブ媒体、NPO、学会、国際会議などです。地域的にはヨーロッパ、アメリカ、日本を含めるアジア、アフリカ。

以上の内、学会、国際会議のコストはこっち持ち、つまり、お金を払う側にいます。お金を払って自分のコンテンツ(発見、理論、モデルなど)を発表させてもらうのです。つまり、ミカジメられています。

それら以外は、なにがしかの報酬をいただいてソリューション、コンテンツを提供しています。印税、原稿料、講演料、業務委託料などの対価を得てソリューション、コンテンツをトランザクションしています。もちろん、NPOや社会貢献活動はボランティアでやっているので、その場合は報酬は受けとりません。

さて、ここからが本題です。

顧客インフラに接する(インバウンド、アウトバウンド)ときには21世紀のネットを主体とした情報革命以前は、どうしても組織の仲介(メディア)が必要でした。しかし、今日のように、ネット、SNS、クラウドが発展し、それらを低コストで活用できる情報環境においては、顧客インフラにアクセスするときに、メディア組織という外部のインフラを敢えて介在させる必要性は消滅しつあります。

ネット、SNS、クラウドを活用すれば、メディアを個人の側に引き寄せることができるようになったからです。土地、建物、機械、生産設備に張り付いた労働ではなく、それらへの張り付き度が希薄で相対的に自由なソリューション、コンテンツ提供業にとって、より重要なのは「個人」の力です。

大事なのは個人のソリューション、コンテンツであり、個人のブランドということになります。私から見て上の世代の先輩方には、「私は~製鉄です」、「私は~自動車です」、「私は~大学です」といったような所属する組織の看板と自己を一体化させて、自分のアイデンティティーを構成・獲得するような人たちが多いのも事実です。

①ソリューション、コンテンツのモノコトへの埋め込み度合いが高い企業の人的資源管理戦略、②終身雇用、年功序列パッケージに順応する個人、③それらを支えてきた産業政策から見れば、このようなアイデンティティー構成手法には一定の合理性があります。

しかし、モノつくりがサービス化し、モノのソリューション、コンテンツ化の動きが激しくなるにつれ、このようなアイデンティティ構成手法はなくなってくると思われます。

情報革命が進行している現在、アイデンティティーを構成する場は、会社→仕事→個人というように移ってゆくのでしょう。マーケティング的に言えば、会社ブランド、仕事ブランド、個人ブランドへのトランスフォーメーション。

こうなってくると、個人はソリューション、コンテンツの形成、彫啄に励まなければなりません。ここで素朴な疑問が生じます。ソリューション、コンテンツは一人で産みだすことができるんでしょうか?

私を含め凡人にはちょっときついでしょう。一人ではできないので、いろいろなインフラ、それらに乗って活動をしているいろいろな方々とのナマの交流がとても大事になってきます。今風にいえば、「場」を共有することによって共創するソリューション、コンテンツが大切になってきます。

逆説的ですが、個人→共同体→地域→国→グローバル社会というように「場」を拡張させてゆくことが大事になってきます。ともあれ、日本人にとって擬似共同体でいつづけてきた会社、産業社会の崩壊が進んでいるので、会社、産業系以外の共同体的「場」(家庭、地域コミュニティ、NPO、お茶のみ友達、交流会、趣味の仲間、勉強会、サロンなど)に関わって、顔を突っ込むことが大切になってくるでしょう。

そういう力を「場力」と呼ぶようにしています。いずれ、梅竿忠夫の「知的生産の技術」にあやかって、本にまとめたいものです。いつになることやら。


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1 コメント

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Unknown (プライベートクラウド)
2011-10-27 20:44:02
「人類にとっての最大の資産はクラウドになる。」確かにそうですね~
科学のおかげで、ハイテクの進歩が社会進歩の動力ですね~
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