よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

清華大学の技術インテリジェンスとイノベーション教育

2008年09月28日 | 技術経営MOT


日立中国有限公司を訪問。中国独占禁止法や違法商標摘発の現状など、話は尽きない。退職した従業員による機密活用、漏洩はセンシティブなテーマだ。



皆さんと記念撮影。



おなじみ鳥の巣。




清華大学自動車研究所。日本ではR&D機能は企業が担うことが一般的だが、中国では共産党の命を受けて清華大学などの重点リサーチユニバーシティが担当する。産業政策の中に拠点大学が組み込まれている。

ご説明いただいた李教授、成教授ともに東大で学ばれ日本語には堪能。日本での研究成果を持ち帰り、清華大学の「汽車工程系」で活用しているとのこと。日本の自動車産業のイノベーションが戦略的にベンチマークされている。




研究室の中には日産から寄贈されたというTIDAが置いてある。中国市場に食い込みを図る外資のプロダクツを徹底的にベンチマークし、国産化プロダクツの開発に応用する。かつての日本がそうだったようにプロセス、プロダクトのイノベーションを徹底的にベンチマーク産業を分析して行い、技術の国産化に役立てる、その頭脳集積地が清華大学などの拠点大学。そして拠点のなかでは技術に関するインテリジェンス活動が国際的、学際的に行なわれている。


一国のマネジメント力を評価するさいに、おおいに参考となるのがビジネススクールの充実度。清華大学のビジネススクールは、そのカリキュラム編成は明らかに米国のトップスクールを意識している。

MITやアイビーリーグがそうであるように、Department of Innovation and Entrepreneurshipを設置している。資本主義経済の精華たるイノベーションとアントレプレナーシップをSocialist Nationトップ大学で研究、教育していることの重要さは驚嘆に値する。

なるほど、社会主義市場経済の「市場経済」の部分はイノベーションを推進する資本家的起業家によってもたらされる。文化大革命の時代に、徹底的に否定された知識階級、有産階級、資本階級が、改革開放路線で復活し脚光を浴びている。

技术创新经济学,技术管理,创业管理,项目管理,技术经济评价,科技战略与政策,国家经济科技安全,etc...

そのイノベーションの推進と起業家の育成に邁進するのが清華大学。「社会主義資本経済」のひとつの本質的側面である。2000年にはThe National Entrepreneurship Research Center が開設されている。概要は:

Entrepreneurship is the fundamental driving force for economic development and wealth creation. The mission of the National Entrepreneurship Research Center at Tsinghua University is to cultivate the leaders of China’s high-tech ventures and venture capital firms. The center offers educational courses and conducts basic research to further people’s understanding of the dynamic process of entrepreneurship. With the support of the governments, the center actively involves the policy and strategy research on entrepreneurship and venture capital in China. The center also develops cooperation with domestic and international institutions and enterprises for knowledge contribution and effective transformations from knowledge to wealth.


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