よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

Enterprise Content ManagementのOSS化

2006年04月23日 | オープンソース物語
ソフトウェアとヒトが接するスキーマに、サービス空間=市場が生まれるわけだが、ソフトウェアそのものがOSS化してくると、サービス化の流れは一気に加速してくる。

業務アプリケーション領域でのOSS化やCOSS化の動きは、CRMのような汎用性のある業務アプリ領域からすでに始まり急速に勃興つつある。CRMは企業の顧客マネジメントに関するコンテンツをマネジメントするというアプリケーションだが、もうひつつの注目領域にEnterprise Content Management(ECM)がある。

日本ではContent Management System(CMS)という言い方のほうが流行っているようだが、シリコンバレーあたりだと、企業ユースにフォーカスしたECMという言葉(マーケットに対するメッセージ)が闊歩している。

Aflescoはその代表選手だ。Alfresco brings a fresh approach to enterprise content management delivering convenience, scalability and very low cost through open source.企業案内にはこのような書き出しで、いかに彼らのECMプロダクトの先進性が優位なのかがところ狭しと紹介されている。

注目すべきは、Alfrescoは2006年(今年)の創業であり、ビジネスモデルはデュアル・ライセンスに立脚したコマーシャル・オープンソースという点。2006年時点で成功しているOSS形のビジネスモデルをたくみに取り入れているわけだ。Spring, Hibernate, Lucene, MyFaces, JSR-168, JSR-170 などのオープンソースやJava系の諸技術をフル活用してソリューションを組み立て、無償版をコミュニティに公開している。そのコミュニティも急成長中だ。

Enterprise Content Management (ECM)が実現するサービスは実に幅広い。Document Management、Collaboration、Records Management、Knowledge Management、Web Content Management、Imagingなど多様な領域に及ぶ。どのようにして、顧客、マーケティング、販売系のナレッジをマネジメントするCRMとの連携がはかられてゆくのか?SOX法の動向が、この種のECMソリューションにどうように影響を与えるのか?OSS業務アプリ分野でのコミュニティの相互乗り入れは?OSS系エンタープライズ・サービスの組み合わせは?

ソフトウェアとヒトが接するスキーマにサービスが生まれる。このスキーマを埋めてゆく有力プレーヤー群は、OSS/COSS系のソリューション・ベンダーになるだろう。