よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

SugarCRM社と包括的パートナー契約

2005年10月18日 | オープンソース物語
今いるタワーの窓から見える東京湾の、そのまたむこうの太平洋を渡ったアメリカ西海岸のクパチーノにあるSugarCRM社正式な包括的パートナー契約を結んだ。

SugarCRM社は、業務アプリケーションにおけるCRMソリューションでコマーシャル・オープンソース領域を切り開いた破壊的技術力とプロダクトを有するベンチャー企業だ。「コマーシャル・オープンソース」を堂々と主張し、新しいビジネスモデルの構築に邁進するSugarCRM社はときあたかも今日、$18.77MのCラウンド増資をしたと発表した。半年くらい前か、ベンチャー・スピリットに大いに共感することから提携交渉は始まった。

チーフ・テクノロジ・オフィサの内田さんは2月から今までに何百という膨大なメールを機関銃のように送りつけ、SugarCRM社からはこれまた機関砲のような返答があびせられてきた。このスピード感覚と直接ビジネスに切り込むプラグマティズムが爽快だ。それにあわせて、会議室のホワイトボードには速射砲のように、わいわい、がやがやと戦略マップが次々と書き加えられる。こういう議論は本当に楽しいものだ。

日本の大企業ならば、「本社に持ち帰り、担当役員の意見を仰ぎ、法務部のチェックをうけなければいけません」というふうに、ああだこうだ言っている間にどんどん時間が過ぎていってしまう。そうこうしているうちに、気のぬけたような議論しかできなくなってしまう。

ベンチャー企業同士の交渉は、形式的な手続きは横に置いて、すぐさまビジネスの核心にせまるアーギュメントに切り込む。プロダクト評価、市場性評価、技術対応力、ローカライゼーション、価格、チャネル、terms and conditions、など議論してきた項目は100項目にも登る。

英語には"Speak straight"という表現がある。たんに率直に話すというニュアンスではない。テーマの核心を明確にして、論点をはずさず論理をフル活用して自己の主張を相手のマインドとハートに届けるとでも言おうか。そして、ベンチャー・スピリットの共有、共感あってこそ"Speak straight"でお互いがアツくなれるのだと思う。