よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

戦艦三笠と横須賀講演

2005年10月08日 | 講演放浪記
横須賀には縁あって講演で過去3回訪れている。さて今年は日本海海戦100周年という記念すべき年だ。講演が始まる前の時間帯を使って、長年の課題であった戦艦三笠が保存されている記念館みかさを訪れた。

バルチック艦隊と東郷平八郎率いる連合艦隊が接近遭遇し、バルチック艦隊の進路をT字のように押さえつつも、あの左に大きく回る敵前のターンを中心とした戦況が時間帯の推移とともに双方の艦隊行動を再現している展示が圧巻だ。「坂の上の雲」やその他の資料を読み漁っても、なかなかわからなかったことだけに、何回も動く展示を見て唸ることしきり。

日露戦争は、ロシアの極東侵略によって国家存亡の危機に立たされた日本が、国力の限りを尽くして戦い抜いた防衛戦争である。日本のパーフェクトゲームで終止符を打ち、海戦史を塗り替えた日本海海戦の勝利は作戦戦略、軍事戦略的にも突出する。また国家間の地政学的大戦略、その後の世界史に与えた歴史的影響力においても隔絶する。

当時の極東の有色人種の弱小国が、圧倒的大国である白色人種国ロシアを打倒した世界史の一大金字塔である、というテーマが一貫して流れる展示は、濃度の高い空気を艦内に充満させている。

市内のウエルシティでの講演会には300人くらいの方々にお集まり頂いた。「みなさん、みかさに行ったことありますか?」と問いかえると、8割くらいの方々の手があがった。

さすが横須賀、小学校の遠足などではよく記念艦みかさを訪れるという。自虐史観や戦後の表層的パシフィズムによって正しい史実を教えない学校や歴史教科書が未だ多数あるなかで、当地横須賀は、みかさを抱える土地としてしっかり歴史の保存に取り組んでもらいたい。