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4月あたりにかまびすしかった景気底入れ宣言、不況回復への淡い期待もどこ吹く風。
この特集のなかで「ムーディーズ格付けの疑問~日本国債格上げと米国債格据え置きの深層~」という記事があるが、深層をえぐった批判にはなっていない。及び腰の論評。
ムーディーズはFRB,連邦政府に影響をおよぼす金融寡頭勢力の利害によって誘導される私的な格付け機関。その利益誘導の集団と化している私的な格付け機関=ムーディーズが債権の格付けを行っているということは、利益誘導のダブルループのただなかでその特殊な共同体的機能を発揮しているということ。
特殊な共同体的機能をムーディーズが発揮すればするほど、ダブルスタンダードがあらわになる。ムーディーズのダブルスタンダードについては以前書いた通りだ。
この見方は金融業界では常識なのだが、なぜかマスコミはことムーディーズの格付け姿勢になると批判の矛先が鈍くなる。
強烈に痛みつつある米国経済の実態に即して、米国債の格付けを下げれば、米株安、米ドル安、米国債安のがそろってしまい、不況・恐慌シナリオがさらに現実味を増すから、最後の砦=米国債は、なんとしても格下げはできない、という逼迫した事情。
そこを、ムリを承知で取り繕い、米国債を据え置いたというのだからムーディーズの格付けは、またもや馬脚をあらわしたこととなる。ムーディーズは公正妥当な格付け機関ではなく、ハロー効果発信企業。公然たる格付け操作によって金融を諜報諜略することを目的とする私的な集団なのである。
さて、大手マスコミが「米国債暴落」の特集を組むまでになると米株安、米ドル安、米国債安の3点セットのセンメントの刷り込みが進む。つまり米国投げ売りが本格的に始まるということ。
このブログでは2008年9月の第1週から恐慌を予見してきたが、米国債暴落をもっていよいよ恐慌シナリオが現実味を増してきたと言わざるを得ない。